また、私しかいない世界で のバックアップ(No.18)


あらすじ Edit

とある一軒家に、可愛い妹がいる敦盛鬼灯という少年がいた。
夜中、喉が渇いたので台所に行ってみると同じ理由で起きていた妹と鉢合わせた。そんな折、外で物音が……確認する為に玄関を開けると、二人を包み込む謎の光と共に、異世界に飛ばされてしまった!?
なんの変哲も力もないただの人間である少年は、妹と共に殺伐な世界を生き抜けるのか。そして、元の世界に戻れるのか。二人を待ち受ける真実とは――!?

登場人物 Edit

敦盛鬼灯(あつもりほおずき) Edit

本作の主人公。
黒髪黒目中肉中背、なんの変哲もないただの高校生。ただちょっと運動神経が悪くない程度の特徴しかない。強いて言えば妹を危険な領域に踏み込みかけるほど溺愛しているくらい。周囲に置いて行かれがちだった自分に負い目を感じている。裕福で幸せな家庭で何不自由なく過ごしていた為、自分よりも不幸で理不尽虐げられる人を見過ごせない正義感を持つが、自己犠牲を厭わない危険なもの。しかし決意するまでが非常に遅く、何度も何度も悩みに悩まないと答えを決められない。

 

敦盛山茶花(あつもりさざんか) Edit

本作のヒロインの1人。
誰に対しても敬語で、礼儀正しいが堅苦しさを感じさせない、温かい心を持った優しい目つきの少女。鬼灯とは3つ年が離れた中学生。兄と同じく極度のブラコンであり、悩みがちな兄を常に心配している。
気が強く、兄が他の女の子と話していると気になって仕方がないお年頃。よく兄に『ヘンタイ』や『キライ』だと突き放す事を言うが、それら全て愛情の裏返しである。

異世界の人達 Edit

+  他のヒロイン

マルメロ Edit

逃避行中に行き倒れた鬼灯と山茶花を匿ったロリ。職業はウィッチ。
サマギ王国に住む魔女っ娘で、その服装もぴっちりとした黒い魔女装束を着ている。その為、育ち盛りの体のラインがくっきりと出ている。下ネタをこよなく愛し、鬼灯を誘惑する事に余念がない。とても明るく元気な性格で、持ち前の天才的な魔術の才能を惜しげもなく自慢する自信家。『天才』の言葉に偽りはなく、数百年を生きた魔女すら凌駕する力を持つ。
サマギには身寄りのない自分を引き取ってくれた恩があり、追手から逃げる鬼灯と山茶花について行く為に密出国した事を他の事が頭に入らなくなるほど気にしているなど、精神的に危うい一面も持つ。

 

バルサミナ Edit

ネルセット共和国で鬼灯達が偶然出会った愛想の悪い少女。職業は忍者。
ドがつくほどの不愛想でいつも機嫌が悪そうな顔をしており一切笑顔を見せない。その為、誰も寄り付こうとせず仲間も友達も一人もいない。過去に起きた人間関係のトラブルから他人と関わる事を避けていたが、何故か鬼灯には厳しくはあるが積極的に接しようとする。
リアリストで容赦がなく、悩む鬼灯に厳しい言葉を投げかけ引っ張っていく。
数百キロメートル先に落ちた針の音をも聞き取る事ができるほどの超感覚を持つ。忍者らしく体中に武器を隠し持っているが持て余しているようでほとんど短刀しか使わない。

 

ルピナス Edit

元エリーマイル陸軍ペレヒトリッチ基地の第一狙撃部隊隊長を務めていた中佐。語尾に「じゃ」を付ける老人のような話し方をする少女。暑がり。職業はガンナー。
エリーマイルでは有名な狙撃の名手で、ライフルに限らず銃の扱いは陸軍でも一番だと謡われるほど。『オルトロス』と本人が呼ぶ二丁の拳銃を愛用し、肌身離さず持っている。
嫌らしく腹黒い性格で、たとえ味方でも目的完遂の為ならば利用し騙す。そしてそれを一切悟られないように振る舞うなど厄介な人間。表向きはクールな女性っぽく振る舞っている。
自身を『雪原の飢えた餓狼(スノーダスト・トリガーハッピー)』と呼称するように、両手に銃を持つと性格が変わり暴走する。

 

ダウニー Edit

鬼灯達がエリシオニアで出会った、巨大なバックパックを背負い、民族衣装的な刺繍が施された厚手のコートを羽織った少女。大食漢で、常に何か食べている。死体を操る死霊術師(ネクロマンサー)だが、本人はほんわかしておりそんなおどろおどろしい肩書を感じさせない。
自身の死霊術で操る相棒の骸骨がいるが、普段はバックパックに大量の食べ物と一緒にしまっている。
失踪した友人を捜索して世界中をたった一人で旅をしていた。友人の為ならばどんなものでも利用する強かさと、その温かい性格から人の輪に入り込む能力に長けている。
サバイバルには慣れている。

 

シクラ Edit

『天空都市レイピテル』で出会った天使の少女。
人間から天使になっている。ドジでおっちょこちょいだが志は高い。

 

ローチュ Edit

『死神姫』と呼ばれ恐れられている連続猟奇殺人鬼。彼女が通る道には血の雨が降り、肉片の雪が舞う。その正体はゼレノイド。『傷つけ合う事が愛』を謳い、道行く人を殺して回っていた。

 

トゥレメンデスノイズ Edit

ナーシセスを始めとする、ギルドにおいて最も優秀なチーム。全員女性であり、本人達曰くナーシセスは『天然の女たらし』。

+  メンバー

ナーシセス Edit

ドゥレメンデスノイズのリーダー。職業はウィッチだが、お嫁に行く事を嫌い出奔している。豪快かつ豪胆、快活でフレンドリーな大人の女性。正義感が強く困っている人は『見逃さない』。そしてそれを実行するに足り得る実力もある。ただ少し暑苦しい事とガサツな事を除けば人間の鑑である。
鬼灯を何かと気にかけているようだが……?

 

アザレア Edit

常にナーシセスに寄り添うメイド服の女性。職業はメイド。
冷静沈着にして氷のように冷たい敬語で話すが主人には従順。その主人とはナーシセスである。サーヴァリアの奴隷学校出身で、警護科を首席で卒業するなど戦闘能力も抜群。

 

クロユリ Edit

どんな時でもゴスロリ服を欠かさない少女。職業はダウニーと同じ死霊術師。魂を操る事に長けたシャーマンタイプ。
惚れやすく傾倒しやすい。故にヤンデレであり、あの手この手を使い思い人を手に入れようと躍起になる。料理が得意で少し天然。

 

ジムナスター Edit

明るい雰囲気を漂わせるボーイッシュな少女。職業はアーチャー。
何故か関西弁で喋り、ツッコミには余念がない。ボケは苦手らしく、全てビオラに一任しているとか。細かい事を気にしない性格だが、一点を的確に撃ち抜く能力はズバ抜けている。

 

ビオラ Edit

常に難しい顔をしている腰に刀と脇差を提げた女性。なんか怖いし実際短期。職業はサムライ。
寡黙かと思いきやそうでもなくよく喋る。とにかくクソ真面目で、曲がった事があればなんでも斬り伏せようとする。そんなビオラを宥めるジムナスターとはいいコンビ。
ロリコンの気があるが本人は否定している。

 

コスモス Edit

どんな時でも着ぐるみをが欠かさない幼女。語尾に「〜ッス」をつけて喋る。職業はピエロ。
着ぐるみのバリエーションは豊富で、作っているのはビオラらしい。
ジムナスターとビオラの止まらない漫才を止める役割を待つ。

 

ピアニー Edit

背が高く筋肉質な女性。普段の物腰は柔らかで姉貴肌を感じさせる。だが一度そのデリケートな逆鱗に触れると豹変し、復讐の為に拳を振るう鬼神と化す。
幼い頃、自分の誕生日に家族をゼレーネに惨殺される場面を目の前で見ており、それがずっとトラウマとなってピアニーの心に影を射している。ゼレーネはこの手で全て殲滅し、それにはゼレノイドすら含む。ただ、まだ一度もゼレノイドを含む人間を殺した事がない。

 

バイオレット Edit

重厚な鎧に身を包んだ笑顔の素敵な少女。明るく元気、その笑顔は相手の敵意を消失させる。何故か片言で話す。
他者が受けた傷・痛みを自分へ移し替える力を操る。自分が身に着けている防具にも適用できる為、鎧に傷を移し替え、バイオレットが意識を保っている限り周囲の人間は無敵となる。ただ、防具を貫通する威力の攻撃に対しては同じように肉体にもダメージが入る為万能ではない。

 
 

ヴァイタル Edit

”よりよき世界”を名乗るゼレノイドのみで構成された集団。世界各地で破壊活動を行いながら敦盛鬼灯を探し、仲間に引き入れようとしていたが……?

+  メンバー

ハイドランジア Edit

 ヴァイタルの実質的なリーダー。ネイディジャッガルのゼレノイド。ネイディジャッガルの力を受け継いで、触れた物を破壊・破裂させる力を持つ。
 あらゆる面においての『強さ』に何よりも執着している。
 弱者に対しては一切の容赦をしない冷酷な人間。

 

ユウガオ Edit

ヴァイストインクのゼレノイド。ヴァイストインクの能力を受け継ぎ、自身の姿を自由に変化できる。変装とは違い、DNAから全く同じものに変化できる。更に男性に対してのみ働く『魅了』の能力を持つ。
生まれてこの方男性と上手くいった事がなく、恋人ができても何度も振られている。所謂『重い女』で、『普通の恋愛』がしたいという思いが暴走し、ゼレーネ細胞と反応した。

 

クロッカス Edit

アーチェニーのゼレノイド。アーチェニーの能力を受け継ぎ、粘着性の糸を生み出し、自身の体液の成分を自在に変化させる能力を持つ。それによってあらゆる薬効を持つ毒物を生成できるが、自分の知識にないものは作れない。
育ちがよさそうな雰囲気で、飄々としているが残忍で、人を見下したような言動の多い少年。なんらかの思いがゼレノイド細胞に反応した。

 

トード Edit

ヘインウェルのゼレノイド。
ダウニーの親友だったが、行方不明になっていた。

 

世界観・用語 Edit

異世界 Edit

鬼灯と山茶花が飛ばされた別の世界。
二人がいた世界とは別の時間線に存在する。全く異なる文化、人種、文明レベルの国々が混在し、その差は極端。
はるか昔に訪れた『異世界人』が知識を持ち込んでいる。

 

ゼレーネ Edit

世界各地に出没する異形の怪物。
基本的に人の少ない、不浄な地に出現するが、人の悪意が強く表出した場所があるとたとえ人の多い場所でも現れる。何も食べず栄養を必要としないが、好んで人間を殺害しようとする性質を持つ。ゼレーネに殺された人間は極稀に『ゼレノイド』と呼ばれる存在に生まれ変わる。

+  ゼレーネ一覧

ゼレーネ=リンファー Edit

巨大な白銀の狼。凶暴かつ俊敏。大人一人を丸呑みにできるほど大口を開ける事ができる。その牙は鉄をも穿ち、その一蹴りは大地を抉る。

 

ゼレーネ=アズダハ Edit

巨大な白蛇。強力な再生能力を有し、如何なる傷も一瞬で治癒した上に傷口から自身を一回り弱くしたアズダハを生み出すなど、長期戦になると少しずつ追い詰められていく。

 

ゼレーネ=ルザーブ Edit

三俣のリンファー。体躯はリンファーに比べると小さく、大人の大型犬ほどである。起動性・凶暴性・五感は更に鋭くなっており、なんの対策もなしに数百メートル以内に近付くと気付かぬ内に食い殺されているだろう。

 

ゼレーネ=デルラ・ハンザー Edit

黒い鉄の馬に跨った漆黒の鎧を身に纏いし首なし騎士。
自身の周囲数百キロ以上の範囲内に前が全く見えなくなるほど濃い『赤い霧』を出現させる。弱点は魔術だが、赤い霧の中で魔術を使うと暴走し血管が破裂し死に至る。研ぎ澄まされた感覚と視界を奪う赤い霧は、デルラからあらゆる隙を消し去るだろう。

 

ゼレーネ=ヴァイストインク Edit

男性のみの夢の中に現れる存在。その男性を夢の中に永遠に閉じ込め性を貪る。男性を起こそうとする者には物理的な危害を加え、精神を汚染し死に至らしめる。

 

ゼレーネ=アーチェニー Edit

巨大な蜘蛛の姿をしたゼレーネ。背中の部分に、上半身だけの青白い肌の女性を生やしている。口には鋭利な鋏を持ち、それで人間を切り刻み補食する。知能が高く狡猾で、必要以上に相手を傷付ける残忍な性格。

 

ゼレーネ=ヘルヒューム Edit

一般的な死神のようなイメージの姿をしたゼレーネ。普段は人間に対してカタカタと笑いかけるだけで危害は加えないが、自身に危害を加える者には容赦しない。粉塵の状態になり、体内に入り込み内側から肉体を破壊し最終的に黒い肉塊に変える。

 

ゼレーネ=ヘインウェル Edit

 少女の姿をした木のゼレーネ。具体的には、木が少女を取り込んだような形になっている。その時点で害はなく、その木にはランダムにフルーツが成るようになっている。だが、そのフルーツを食べたものは『世界の全てが食べ物に見える』ようになってしまう。同時に、このゼレーネのフルーツを他人にも強く勧めるようになり、少女の死体を使ってこのゼレーネを作ろうとし、作れる力を手に入れる。作った後、その人間はヘインウェルに食べられる。こうしてヘインウェルは繁殖する。

 

ゼレーネ=ネイディジャッガル Edit

不明。触れた物を破壊できるらしい。

 

ゼレノイド Edit

ゼレーネに殺害にされた人間の心の中に強い負の感情『心の闇』があり、如何なる方法であっても体内に該当ゼレーネのDNAを取り込んでいた場合に、そのゼレーネの能力と見た目をある程度引き継いで蘇生した状態。原因となった心の闇に異常に執着する性質があり、ほとんどの場合情緒不安定である。

 

ギルド Edit

対ゼレーネ特別協同組合の通称。ネルセットに本部を置く。
ゼレーネの討伐、ゼレーネに関する事件・問題の調査と解決、ゼレーネによって殺された死体の後片付け等々、主にゼレーネを中心とした依頼をギルドに登録した人員が引き受けて解決するシステムになっている。自己申告制の『職業』を決められる。

 

ドレッド大陸 Edit

サーヴァリア Edit

首相:ファーメリ
首都:バーレイ
人口:約8000万人
通貨:ユリー
サマギの隣、半分に分けるようにドレッド大陸の西部に位置する国。
奴隷に関する商業が盛んであり、『奴隷国家』と呼ばれるほど。奴隷を教育する教育機関を有し、無事卒業した奴隷は晴れて奴隷として自国・他国を問わず高値で売り付けられる。『奴隷』と呼んではいるがその実態は家政婦さんであり、酷い仕打ちを受けているような奴隷は稀である。ゼレーネ討伐には一番力を入れており、ネルセットと共同でギルドを運営している……と思いきやサーヴァリアの方が権限が強い。何がなんでもどんな手を使ってでも世界からゼレーネを根絶やしにしようとしている。

 

サマギ Edit

国王:ランプランサス
首都:アウズマイステリー
人口:約1億人
通貨:ユリー
サーヴァリアの隣、半分に分けるようにドレッド大陸の西部に位置する巨大な魔術国家。
女性優位の国で、国民のほとんどは女性。性には異常に開放的で、男性がこの国に紛れ込むと問答無用で犯されるなど、色々な意味で治安が悪い。サマギから男性の奴隷をよく買い取っている。
女性の国民は産まれた時から全員『魔女』である。魔術に対しては狂信的で、魔力の源泉となる空気中及び地下に存在する『マナ』を巡ってはエリシオニアと対立している。エリシオニアとの戦争の為にエリーマイルから兵器を買い取っている。

 

カメリダ大陸 Edit

エリシオニア Edit

国王:リコリス
首都:ランドマート
人口:約3憶人
通貨:ドーラ
カメリダ大陸の中央に位置する巨大な機械国家。
機械技術が非常に発達しており、その文明レベルは二十一世紀の地球を遥かに超えている近未来的な国。サイバーパンク染みた街並みの北側と、自然の多い南側に分けられる。南側は漁業が盛ん。
空気中及び地下に存在する『マナ』を採掘し、それを動力源として使っている為、魔術を狂信するサマギとは仲が悪い。
数万年以上を生きると言われる少女の姿をしたサイボーグの女王が国を治めており『デウスエクスマキナ』だと讃えられているという触れ込みだが、国民からは与太話だと思われており、女王の実態を知る者はほとんどいない。

 

天空都市レイピテル Edit

エリシオニアの上空、大気圏近くに浮遊する島。この世を監視する天使が住んでいる。エリシオニアから直通の宇宙エレベーターからいける。

 

北サマギ Edit

エリシオニアのすぐ上にある何もない土地。
かつて数百年以上前のサマギとエリシオニアの戦争において、『iZ兵器』と呼ばれるもので大地のほとんどが地盤ごと消し飛ばされている場所。ゼレーネの巣窟になっており誰も近づこうとしない。

 

クラウデザリア大陸 Edit

ネルセット Edit

首相:ルドベキア
首都:コーデック
人口:約8憶人
通貨:ユリー・ドーラ
クラウデザリア大陸の南部に位置する国。
ギルドの本部があり、ギルドに登録している者のほとんどはコーデックにある豪華な寮で過ごしている。治安もよくご飯もおいしいし水も綺麗な世界で最も住みやすい国。人口が集中している分、ゼレーネによる襲撃の被害は相対的に大きくなる。ギルドの最高責任者とべったりなサーヴァリアとは仲が悪い。

 

エリーマイル Edit

首相:クリソン
首都:ナゥドハ
人口:約2憶人
通貨:ユリー
クラウデザリア大陸の北西に位置する軍事国家。軍事兵器の開発に力を入れており、それを他国に売り付けている。特に、エリシオニアと睨み合っているサマギはかなり気前のいいお客さん。ルピナスの出身である事を裏付けるかのように国全体で見ても腹黒い。
一年中雪が降り積もる雪国で、いつ行っても一面の銀世界を拝める。

 

作者名 Edit

井土側安藤

ジャンル Edit

ハイファンタジー

リンク Edit

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作品へのコメント欄 Edit


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