新選組・真の参謀 のバックアップ(No.2)


あらすじ Edit

文久三年五月・壬生浪士組(新選組)第一次隊士募集。尊皇攘夷の風が吹き荒ぶ中、一人の男が入隊した。その男の名は尾形俊太郎。
池田屋事件で衝突することとなる宮部鼎蔵(ていぞう)、佐久間象山を殺し新選組と因縁の関係となる「人斬り彦斎」こと河上彦斎(げんさい)などの過激派と出身を同じくし、「参謀」を自称するこの男の入隊を、副長・土方歳三は快く思わなかった。案の定、尾形は隊内で怪しげな言動を取り始める。しかし、巧みに局中法度をすり抜けなかなか処分することができない……。そのうち、山南敬助、武田観柳斎、伊東甲子太郎など彼と同じ頭脳派が粛清されてゆく。
尾形は一体彼らの死をどういう気持ちで見送っていたのか。何故彼は粛清されないのか。会津戦争で離隊するまでを描く。

主な登場人物 Edit

本作においては、様々なタイプの“三人組”が登場する。

凸凹三人組(でこぼこさんにんぐみ)

尾形俊太郎(おがた しゅんたろう)
…本作の主人公。肥後国熊本藩出身で、自らを「参謀」と称することで副長・土方の不興を買う。しかし、局長・近藤からの信頼は絶大で、土方が処分しようとすると決まって庇ってもらっている。様々な役職をこなし器用な反面、常に虚ろな目をしてやる気がない。基本的に剣から身を遠ざけているが、いざ血を見ると瞳が輝き出す奇妙な一面をもつ。黒い数珠をいつも持ち歩いている。
山野八十八(やまの やそはち)
…文久三(1863)年五月に入隊した、尾形の同期。加賀国大聖寺藩出身。愛称は「八公(ハチこう)」。尾形、島田と併せて「凸凹三人組」と呼ばれている。
美男五人衆の一人で、たびたび武田観柳斎や伊東甲子太郎に言い寄られている。その際に尾形に助けを求めることが多く、あらぬ噂をふりまいている三人組のトラブルメーカー。非常に威勢のいい性格だが病弱で、何故新選組に残れているのか不思議がられており、「副長の好み説」という新たな疑惑を生み出している。
島田魁(しまだ かい)
…尾形の同期。だが尾形より一回り以上年上で、父親のような目線で彼らを見ていることがある。美濃国岩滝藩出身。愛称は「力(りき)さん」。
大らかかつ人懐こい性格で、入隊当初に同期との親睦を深めるため「しるこ会」を開催、尾形や八十八にも声をかけて以来彼らと仲良くなった。同期が彼らと山崎烝以外にいなくなってしまった後でも定期的にしるこ会を開き、現在は沖田や三馬鹿も参加している。しかし味覚は壊滅的で、彼の作ったしるこは凶器であるため、しるこ会のしるこは尾形か八十八が作っている。

三馬鹿(さんばか)

原田左之助
…副長助勤。江戸から上洛した“浪士組”以来の隊士で、文久三年五月の隊士試験では尾形を担当した。以来、尾形に興味をもち、「おがっち」と呼んでたびたび絡んでいる。そのおかげで凸凹三人組と三馬鹿の交流が盛んになった。
美男、妻子持ち、豪快な性格と共通点の多い八十八とも気が合い、ともにくだらないことをやっては周囲を呆れさせているため、「馬鹿コンビ」と認識されている。
永倉新八
…副長助勤。三馬鹿の一人で、女子より小さい、良心でありツッコミ役、という点は他作品と共通している。
島田とは旧知の間柄で、隊内でも二番隊の組長と伍長という関係のため公私ともに一緒に行動することが多い。また、八十八、原田の「馬鹿コンビ」を島田とともに傍観したり、止めることも多いため周囲からは「凸凹コンビ」(島田が巨漢のため)と認識されている。
藤堂平助
…副長助勤。三馬鹿の一人であり、原田とともに場の盛り上げ役。甘い物が大好きで、凸凹三人組主催のしるこ会では沖田と並び常連組。
明るい表情の裏に繊細な一面を隠しており、山南敬助の死を経て試衛館派と伊東派の軋轢に苦しむようになる。尾形が唯一関心をもち、気を配って接する相手。
藤堂の方も尾形に何かを感じているようであり、「凸凹三人組には三馬鹿と同じ道は歩ませたくない」と思っている。

本来の主役三人組

山崎烝
…尾形の同期であり同僚。監察方として有名だが、尾形同様に様々な役職を果たしており、尾形と同時期に同じ役職を担当することが多い。いわば尾形のライバル。
副長・土方の懐刀で尾形の監視役を兼ねており、土方とともに尾形の言動に翻弄されるが、出し抜くことも結構ある。
単独行動が多いため、尾形とは別の意味で謎めいた存在に思われている。文久三年五月入隊の隊士の中では、唯一島田手製しるこの被害を受けていない。
佐倉真一郎(さくら しんいちろう)
…本作オリジナルキャラクター。元治元(1864)年春に入隊した平隊士で、沖田総司の一番隊に所属する。八十八の後輩にあたる。
女顔であることを八十八にからかわれ、八十八とともに武田観柳斎や伊東甲子太郎の被害に遭う苦労人。実は本物の女。山崎や沖田の助けを受けながら、性別を偽って過ごしている。尾形や八十八にはもちろん知らされていない。
沖田総司
…副長助勤。言わずと知れた剣の名手で子どもと甘い物が好き。しるこ会の常連。八十八は預かりの隊士。大人びた性格のため、八十八や佐倉など難あり訳ありの隊士の保護者役となっている。反面、自身の結核については長く隠していた。やがて隠しきれぬほどに体調が悪化し、与えられる仕事の比重が自身から尾形に移っていくようになり、歯がゆさを感じ始める。

試衛館三人組

沖田総司 →上記参照
土方歳三
…言わずと知れた副長。端整な容姿は本作でもフルに生かされ、伊東甲子太郎の被害者その3。同時に伊東の本命だが、武田観柳斎のハートは射止めていない。
突然ふらりとやって来て、どの派にも属せず、底意の掴めぬ言動を繰り返す尾形を警戒しており、山崎を当たらせて動向を窺っている。頭脳派は基本的に警戒の範疇にあるが、山南敬助は特別で、心より信頼していた。
近藤勇
…言わずと知れた局長。副長・土方とは対照的に、インテリが大好きなお人好し。基本的に隊内のことに口出しはせず、頭脳派の処分に際しても山南の意思や土方の意見を尊重するが、尾形の処分に関しては何故か彼らに干渉させない。本人いわく「自分にとっての尾形は、土方にとっての山崎みたいなもの」。尾形が監察方に異動してからも助手として堂々と連れ回すなど、かなりの信頼を置いている。

その他

斎藤一
…副長助勤。日頃は存在感が薄く、ひっそりと生息しているが、事ある毎に「尾形とどことなく似ている」と言われる。当人達は特に互いを意識していない。
凡庸な面をしているが、実は奥に素顔を隠しており、それが伊東派離党の際に同行する決め手となる。
尾形、藤堂とともに「三人組」といえる一幕がある。
吉村貫一郎
…慶応元(1865)年春に入隊した隊士で、監察方および撃剣師範。尾形と山崎の部下となる。
尾形と山崎の対立に巻き込まれ、山崎に協力し尾形を監視する。そして翻弄される尾形の被害者その3。生真面目かつ隊士思いで、尾形を疑いきれないでいる。
尾形、山崎とともに「三人組」といえる一幕がある。

設定 Edit

本作は、尾形、山野、島田の三人の人物を除き、友人の作品の登場人物と設定を使用させていただいております(許諾済)。
物語の内容としては独立しており、本作単体で理解できるようになっています。

作者名 Edit

でうく

ジャンル・キーワード Edit

ジャンル その他 歴史
キーワード 歴史 幕末 新選組 残酷な描写あり

この作品のここがオススメ! Edit

尾形俊太郎の入隊後から(特に池田屋事件から)、会津戦争までの新選組の変遷について順を追って書いているので、結構詳しめだと思います。
脚色はありますが、系列や事件は史実に沿っていますので、参考にはなるかもしれません。
ギャグや人物同士の絡みも割と頻繁にあります。

リンク Edit

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