あらすじ
十二の平行世界の中心に作られた、第十三番目の世界”ペインアース”
その地は神々の戦場であり、剣と魔法を力とし、天使と悪魔と精霊達が熾烈な生存競争を続けていた。【完結】
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ディアス・サーン大陸では人間達が覇権を争い、ウルゴー大帝国が近隣の小国であるスラニルを滅ぼそうとしていた。スラニルのマスターウイザードはこれに対抗すべく、平行十二世界の一つ、機甲涅槃界(クロックワーク・ニルヴァーナ)の神である剣王(キング・オブ・ブレード)に助けを求めた。
剣王は助力を行う代わりにスラニルの魔法使い達を全て滅ぼし、たった一人生き残った魔法使いである主人公シェイに、神が鍛えた剣『天国の剣』リヒトを与え、伝説の赤竜ヴィスカスの討伐を命じた。
コンストラクト・リヒトは大剣と少女の二つの姿を持つ、知能のある強力な剣だった。
そして、とてもわがままで、高飛車で、甘えん坊で、可愛いお尻を持つこの少女リヒトと見習い魔法使いシェイの前途多難な旅が始まる事となった。
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主な登場人物
●シェイ=クラーベ/ウイザード→エルドリッチ・ナイト
小国スラニル出身の魔法使い見習い。後にエルドリッチナイトに転職。
18歳。身長170程度。紺色の髪。
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ウルゴー帝国領に近い小国のスラニルにて産まれ、国を守る魔法使いになる為、
ウイザードギルドで魔法の勉強をしていた青年。
ウイザードとしての能力は平凡で、運動神経は良いが鍛えていない為体力は無い。
コンストラクト・リヒトを授かった事により、アークウイザードへの道を諦め、
エルドリッチナイトに転向する。
冷静で剛胆な一面があり、力で劣る部分を機転としたたかさで補い、強さとしている。
幼馴染みのリュージとは気の置けない者同士として仲が良く、達成不可能と思われた
赤竜討伐という目的へ共に歩んでゆく。
マスターウイザード・ロディットが禁断の召喚術を使い、剣王を呼び出すも、契約の
交渉に失敗し、先輩のウイザード達は皆殺しにされる。
一人難を逃れたシェイは心の中の恐怖を抑え込み、今、何をすべきかを自らに問い、
そのしたたたかさを剣王に認められて、赤竜討伐を命じられる。
剣王はシェイが非力な魔法使いであると知った上で、自らが鍛えた神の剣、
コンストラクト・リヒトを与え、赤竜討伐の助けとさせる。
おとぎ話でしか聞いた事の無い、伝説のレッドドラゴン・ヴィスカスを倒せと言われ、実在するのかどうかさえも分からないまま、シェイは親友リュージと共に旅に出る事になる。
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●リュージ=ガラン/モンク→シンタオ・モンク
小国スラニル出身のモンク。後にシンタオ(神道)・モンクに成長。
19歳。身長182程度。黒髪。短髪。生来の格闘家。
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スラニルの貧困層に生まれるも、喧嘩の腕一つで生き抜き、モンクとして修行を始める。
スラニルは魔法使いの国であり、モンクの熟練者が居ない為、修行は頭打ちになってしまい、旅先の王国、エル・カシにて上位職のシンタオモンクの修行をする。
大らかで豪毅、曲がった事が大嫌い。勉学は殆どしておらず、頭の良いシェイの事を心から頼りにしている。
設定上ではインテリジェンス値は8程度でギリギリマイナス補正がつかないぐらい。
魔法使いギルドが秘密裏に禁を犯し、剣王を召喚した上に全滅した事について、
リュージ含め国民には全く何も知らされなかったが、シェイがリヒトを使って
戦いたいといきなり言い出した為、細かい事は何も聞かず、親友を助ける事にする。
リヒトとはお互いに脳筋同士で、出会った当初は互いに互いの事を不躾で頭の悪い奴
と罵りあう犬猿の仲。
その後リヒトが美少女の姿で再臨した折には、その半裸状態の出で立ちを見て桃尻娘
と呼び、リヒトから『お前、いつかぶっとばすぞ』と怒りをかう事になる。
その言葉通り、眼前で壁をぶち抜かれる威力の蹴りを放たれ、危うく死にかけた為、
言葉を控えるようになった。
旅先で光明界アイリアの住人であるセリーナスを助ける形となり、リュージ本人も
よく分からないままに旅を共にし、そのままの流れでいつの間にか伴侶扱いになってしまう。
女性を口説くなど到底出来ないリュージにとってセリーナスは天から授かった奇跡
の様な存在で、彼女と出会わなければ一生独身でもおかしくなかった。
その近接戦闘力はずば抜けていて、闘技場のトップランカーを一撃で吹き飛ばして
しまうぐらいだが、さすがに多人数相手では、一度に相手できる数は少ない。
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●コンストラクト・リヒト/ブレードフォージ
機構涅槃界(クロックワーク・ニルヴァーナ)の神である剣王(キング・オブ・ブレード)によって作られたアーティファクト。
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コンストラクト(意志を持つ機械)でありながら、トランスフォーム時には両手剣になり、操る者の精神力を破壊力に変換、増幅させつつ、自らも意志を持つ剣(インテリジェンス・ソード)として自律して攻撃を行う。
最初にシェイに渡された時は、一般的なコンストラクトと同様の機械人形の外見をしていたが、シェイの持つ予想外の精神力の強さと、増幅幅の調整に不慣れであった事から、自壊してしまう事となる。
剣王は青竜コウゼイアーの研究から得た知識でリヒトを改良し、意志を持つ作られた肉体を与えられ、エルフの少女の姿として再臨する。
銀の短髪、赤い瞳、白い肌、殆ど裸に近い水着の様な姿で現れたリヒトに見て、シェイとリュージはいやらしい目つきで尻ばかり追いかける事になる。
この半裸状態の少女の姿は、主人公達だけでなく、旅先の権力者の興味を惹く事にもなり、そのおかげでロイン・クロスや魔法の着物である花嵐(からん)を授かる事に繋がっている。
旅をするにつれて、リヒト自身が武器としてだけではなく、より人に近い心を持つようになり、剣王戦では作り手の剣王も唸らせるほどに心身共に鍛えられた剣となる。
リヒト自身の使う技としては、自身の刀身を飛ばして攻撃するブレード・ショットを基本とし、その刀身の数を無数に増やしたレイン・オブ・ブレードは剣王自身の使う技でもある。
ブレード・ショットを投射するのではなく、5~6本の剣を空中で旋回させる事で敵を切り刻むダンス・オブ・ブレードという技も使う様になる。
このダンス・オブ・ブレードの刀身の数を無数にした物がストーム・オブ・ブレードで、これは剣王も使った事のない技である。
余談として、青竜コウゼイアーの研究は、より人に近いコンストラクトの製作であり、生殖機能を備える所まで作られている。
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●キュネイ/ローグメカニック
サゴス国の商隊に属していたキャットライクエルフ。
キャットエルフはエルフ達が同族戦争を起こした時に作られた合成獣(キメラ)であり、敏捷性の高いキャットライクと魔力の高いエルフライクのどちらかとして産まれる。
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この産まれ持つ能力には酷い偏りがあり、9割以上がキャットライクで、エルフライクのキャットエルフは殆ど産まれていない。
現在は合成術は禁術とされているが、キャットライクの高いローグ能力とエルフライクの高い魔法行使力はエルフ自らを超える存在であり、同族戦争の終止符をうつきっかけとなった。
以後、キャットライクはその愛らしさから各地で捕獲の対象となり、高額で取引された他、無理矢理な交配も強いられた為に、各地でごく普通に姿を見られるまで、繁栄するに至っている。
キュネイもすばしこさと手先の器用さでは、達人と呼ぶにふさわしい技術者だが、どことなくのんびりしている所があり、前衛には全くむいていない。
クロスボウ、リピーティングクロスボウを初めとするXボウの扱いに長けていて、狙撃の腕はディープウッド・スナイパーレンジャー級の腕前がある。
キャットエルフは一般的に、頭を撫でられる事を好意の表れとして解釈しており、故に気に入らない者には男女とも絶対に頭を触らせる事はない。
シェイがあまりにも自然にキュネイの頭を撫でた事で、キュネイは完全に不意をつかれてしまい、そこで初めてシェイに対して好意を持つ事になる。
その後はおせおせで押しかけ女房になるというしたたかな面も見られる。
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●セリーナス/ライトブリンガー
光明界アイリアの住人。ルミエルと呼ばれる天使達の一人であり、ライトブリンガーと呼ばれる光魔法と治癒魔法の専門職。僧侶が神に対して祈りを捧げ、神聖魔法という奇跡を起こす事に対し、ライトブリンガーは天使として直接神の力を借りる事が出来る。
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トログロダイト達の遺跡にて、遙か昔に封印され、棺の中に閉じ込められていた所をシェイ達がモディウスの力の源だと勘違いして封印を破壊し、助ける事になる。
その折になぜかリュージに助けられたと思い込み、リュージも否定はせず、シェイも口を挟まなかった為、そのままリュージに恩返しをする為に同行する。
エル・カシにて修行をする際にリュージの嫁と勘違いされるも、この時もリュージは否定せず、シェイとしては生涯女性を口説く事など無さそうなリュージには良縁だと考え、そのまま押しつけてしまう。
とても穏やかで控え目な性格の持ち主。攻撃魔法を使う事はあまり無いが、必要とあれば神聖魔法を行使している。
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●神速レオ(かみはや・れお)/シャドウダンサー
シンの国のアサシン。過去に戦いで負け、奴隷として売られていた所をアリーナマスターのゴージに腕を買われ、トップランカーの闘士として働いている。
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常に戦乱が続き、平穏を自ら捨てる闘争の国シンでは、相手に負けると殺されるか奴隷にされるかの過酷な二択を強いられる事になる。
無論、奴隷時でも反乱や脱走して逃れる事は出来るが、その先にあるのは永遠の逃亡であり、救いはない。
奴隷となったシンの国の者が助かるのは、大抵の場合は他国の良識のある者に金で買われる事であり、金儲けの道具としてしかみられてなくとも、ゴージに買われたのはレオにとって人生の転機だっただろう。
アリーナでシェイに負けたレオをゴージはお払い箱にし、シェイに押しつけてしまうが、それもゴージの良心だったかもしれない。
暗殺、諜報能力に長け、毒に対する耐性を持ち、自らも毒を使う。
暗殺者としての辛抱強さは一級で、リッチキング・ライラット戦で活躍する事となる。
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●ロアック/コボルドナイト
奴隷船で知り合ったコボルドの騎士。
竜の血を引くとされるコボルド達は自らをドラゴンブラッドと呼び、ドラゴンを信仰している。
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多くのコボルドの氏族は創世の三神竜のうち、大地を作ったとされるロウワードラゴン竜を信仰している。
その他にその三神竜の更に上に居るとされる光の竜ヴィーシアを信仰するコボルド達もいたが、全滅戦争の時に古代竜達の側について巨人族と戦った時に多くが死に、信仰も途絶えがちになっている。
その数少ないヴィーシアを信仰するコボルドの騎士であり、戦士としての腕前はかなりの物。飄々とした性格で、竜に関する事以外は全て他人事の様に思っている。
コボルドナイトはパラディンではなくファイター系列の中でもウォリアーよりのクラスで、盾を巧みに操る事からヴァンガードだと思われる。
頭を使う事は大の苦手で、死の砂漠のピラミッドでは殆ど役に立っていない。
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●タルキス/吸血鬼の海賊船長
空飛ぶ海賊船、ブラッドムーン号の船長にして吸血鬼。
海賊達の集う島デッドフォールではかなりの有名人で、逆らう者は殆ど居ない。
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外見は22、3だが、実年齢は100を超えている。
過去について彼女が語る事は無いが、ガリエットというパラディンの事を気にかけているようで、シェイが助かったのも、その物言いがガリエットという男性に似ていた為。
シェイの話を聞いて、伝説のドラゴンシャードが手に入るかもしれないという欲望に駆り立てられ、ヴィスカス討伐のサポートを申し出る。
しかしそれはタルキスが共に戦ってくれるわけではなく、シェイ達が早く強くなれるように、悪名高きデッドフォールへ連れて行くから、あとは自力で這い上がれという、厳しすぎるサポートだった。
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●ヴィスカス/アンシェント・レッドドラゴン。
かつてドラゴンポリスを支配していたという伝説の五竜のうちの一匹。
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女帝と呼ばれ、気分屋でかなり気性が荒く、わがままを言い出したらとまらない。
人の命など虫程度にしか思ってなく、プライドを傷つけられる事をなにより嫌う。
伝説と化すほど長い間、姿を見せておらず、どこにいるのか、何をしているのか、生きているのかさえもわからないまま、シェイ達は討伐の旅に出る事になる。
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●剣王/キング・オブ・ブレード
機構涅槃界の神の一人、戦神であり鍛冶の神。
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物語はこの戦神を呼び出した事から始まる。
スラニル国のマスターウイザードであるロディット卿は、剣王の力を借りてウルゴーからの降伏勧告を撥ね付けようとしたが、交渉は失敗に終わる。
瞬時にスラニルの魔法使い達を全滅させた剣王は、たまたま生き残ったシェイが、死の恐怖を心の底に押し込めて、礼節に則った作法を見せた事に感心し、伝説の赤竜討伐という無理難題を押しつける。
しかし、赤竜討伐の為に与えた天国の剣、コンストラクト・リヒトが初戦で自壊してしまうという失態と、神の剣を崩壊させたシェイの心の底にある力に興味を持ち、力を貸す事にする。
そうして再度作られたのが新生リヒトであり、伝説の五竜の一匹である青竜コウゼイアーと何らかの取引をして、作られた肉体の中に意思を持つコンストラクトという、禁忌に触れかねない存在を作り出した。
剣王自身、自律意志を持つ機械であり、生命体ではない。身体を覆う外装甲には無数の刀身が生えており、それらを射出して敵を切り刻む、レイン・オブ・ブレードという技を使う。
また、刀身を身体の周りに旋回させるブレードバリア、彗星を呼び出して地面に落とすコメットフォール、魔力と炎の爆風を起こすタクティカルデトネーションを魔法として好んで使い、中距離で戦う方がかえって危ない一面がある。
リヒトは剣王同様のブレード系の技を使う事は出来るが、魔法は全く使えない。
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●ダイゲン/ウルゴー帝国軍、中将
ウルゴー帝国の占領軍、軍団長。後にハイ・ウルゴー帝国の国王となる。
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ウルゴー帝国の最盛期に実力で将校にのしあがった叩き上げの軍人。
自国とウルゴー王に対する忠誠心が高く、舞台裏で暗躍する旧貴族達からは疎んじられていた。
この為、賢王ウルゴー王亡き後は、軍人達と国民の支持を得て、貴族達との覇権争いを行っていた。
スラニル国に進軍したのもこの派閥争いが原因で、首都付近は貴族達の息がかかった者達が多い為、首都を捨て新たに得た領地に拠点を作ろうとした為。
魔法障壁を持つスラニルは拠点としては好都合だったが、シェイとリヒトの一撃によって賢王の定めた「人間の戦いは人間同士でやる。異世界に助力を求めた国は即時敵国とみなして攻撃する」というルールが破られた事が発覚した。
まだ足下の地盤が固まっていないダイゲンは無理にスラニルを攻めず、様子を伺いながら派閥争いを行わなければならなくなった。
当然貴族達は首都を占領してウルゴー帝国を名告り、それに対抗すべくダイゲンは自ら国王の名乗りを上げ、ハイ・ウルゴーという国を建国した。
いよいよスラニルの占領は必至となり、スラニル国の城を拠点としてウルゴー帝国の首都奪還を行わなければならなくなった。
しかし、シェイという一人の青年がその大軍勢の前に立ちはだかり、ダイゲンの目論見を阻害するのだった。
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●ロディット/スラニルのマスターウイザード・マギスター
スラニル国の魔法ギルド長にしてマスターウイザード。
魔法使いの国スラニルにおいて、最も地位の高い魔法使い。
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思慮深く、軽はずみな事はしないこの老魔法使いがウルゴー帝国から近隣諸国に通達していた禁を犯してまで剣王を呼び出したのは、現実がそこまで押し迫っていたからだろう。
魔族は裏切る可能性があり、闇に属する異世界の神はスラニルそのものを贄として要求しかねない。かつて滅亡戦争時に竜族について悪魔と戦ったとされる剣王が、理想的なパートナーだと考えたが、現実はそれほど甘くはなかった。
まさかロディット卿自身が死んだ後の事まで考えて剣王を選んだ訳ではないだろうが、結果としてはシェイという見習い魔法使いがいたおかげで、ロディット卿の選択は最も良い物となりえた。
だがこのシェイという見習いの魔法使いの名前さえ、ロディット卿は知らなかったかもしれない。
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設定
●平行十二世界の世界観
ペインアースを十三番目の中心として、平行して十二の外方次元界がある。
闘争界:ペインアース、フェイルーン
地獄界:ナインヘル、バートール
冥界:シャドウフォール、ドールア
天界:パーフェクトオーダー、ダンヴィア
狂気界:マッドネスレルム、ゾリアード
夢幻界:レジオンオブドリーム、ダルクウェル
妖精界:フェイワールド、サルニス
炎獄界:フレイムオーシャン、ファニア
氷結界:アイシープレイン、リジア
虚無界:エターナルナイト、マーバー
光明界:エターナルデイズ、アイリア
涅槃界:クロックワークニルヴァーナ、メカナス
自然界:トワイライトホライゾン、ラムニア
※日曜日シリーズとの違いは魔界が無く自然界がある事
●闘争界/ペインアース
神と悪魔が永劫に戦う世界。その決戦の地として作られた。
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自らを滅ぼし、十二世界全てを破滅へと導こうとするデビルと、全てを力で支配下に置こうとするデーモン、それに対して秩序と平穏をもたらすディーヴァと、光の導き手ライトブリンガー。それらを筆頭として光と闇の勢力が戦いを繰り広げていたが、やがて双方とも直接衝突するのを避け、ペインアースで産まれた数多くの種族達を操って勢力を争う形に落ち着いた。
やがて竜族と巨人族の滅亡戦争が起き、その後エルフ達の同族戦争を経て、人間という
種族が異常な速さで繁殖し、一大勢力を築いているのが現在の状態。
人間の勢力は賢王ウルゴーが支配するウルゴー帝国の成立によって、短いながらも
戦争が比較的落ち着いた時代を築く事が出来たが、その平穏は十二世界の神々によって
壊された。
賢王ウルゴーは突如玉座から居なくなり、その玉座に天から墓石が降ってくるという
形でウルゴー帝国の王は死に、肥大した自重に耐えきれず、大帝国は内乱と分裂を
起こして再び世界は闘争の時代に突入する。
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●サーン大陸
ペインアースにはいくつかの大陸があり、そのうちの一つ、サーン大陸は中規模の大陸で北、中部、南部に分類される。
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これは北部と中部を隔てる砂漠地帯と、南部全域に広がる密林地帯を目安とした物で
ノースサーン、ミドルサーン、サウスサーンと呼ばれている。
このうち人間が最も反映している地方はミドルサーンであり、ウルゴー帝国および
近隣の20近い小国、自治体が存在する。
ミドルサーンの東端にはシンと呼ばれる独特の戦闘国家があり、この地で産まれた
暗殺者、戦士、武闘家、魔法使いは、生来から鍛え上げられた殺戮兵器として
各地から一目置かれている。
ウルゴー帝国が最大の勢力を誇った時でさえ、このシンの国には数度の小規模な
侵攻を行い、悉く全滅している。
ノースサーンは未開の北方山脈と、その麓から東方面へと広がる広大な森林地帯が
あるが、この地ではかつてエルフが同族戦争を行い、生き残ったエルフ達は森の中
へと逃げ込み、森に不死者を放って要害としている。
この地方へもウルゴーは手を伸ばしたが、その多くが死の砂漠と、その先にある
ツァロスの荒野を渡りきれずに撤退し、生き延びた者達の中でウルゴーに戻れなく
なった者達は、小さな村や町を作ってこの比較的平穏な地に暮らしている。
ノースサーンとミドルサーンは西海岸にある港町を通じて貿易を行っており、
ミドルサーンには中規模の港町ロブニクが、ノースサーンには大規模な港町ラヴァニア
が存在する。
この二つの港を更に北へと登ると北方山脈の北側へと回り込む事が出来るが、
その前にデッドフォールと呼ばれる要塞を通る必要がある。
この要塞は全滅戦争時代に巨人族と魔族が使っていたもので、宙に浮かぶ岩山には
飛空艇の発着所もあり、現在は海賊達の拠点となっている。
ミドルサーンの港町ロブニクから南下すると、サウスサーンの密林地帯に入り、トログロダイト達の棲む旧文明のある地域に辿り着く。
このサウスサーンのどこかに、ドラゴン達が支配していた町、ドラゴンポリスが存在すると言われており、伝承では全滅戦争にて古代の竜族は巨人族と相打ちとなり、ドラゴンポリスはリッチドラゴンが支配する、ドラゴンネクロポリスという冥界と化したと言われている。
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●コンストラクトと魔力発電
竜族と巨人族の滅亡戦争は、コンストラクトという機甲涅槃界の存在をペインアースに定着させた。
ペインアースの各地にはコンストラクトを製造、訓練する施設が現存し、今も尚、悪魔達の侵略に対抗する為、コンストラクトという意思をもった機械人間達を作っている。
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彼らコンストラクトを作る技術を使えば、意思のないごく普通の機械を作る事は用意であり、また、魔力発電という一大革命をもたらした事で、ペインアースは奇妙な独特の文化を構築する事となった。
ドラゴンシャードから抽出した魔力を電気に変える魔力発電は、副産物として蒸気機関を動力として安定させた。
町には照明がもたらされ、夜の闇を払いのけ、蒸気機関は魔力発電によって小型化に成功し、様々な乗り物が発明された。
飛空船や飛行艇もその一つであり、フェザーフォールの魔力を船全体に施し、推進力を蒸気エンジンに頼ることで船を空に飛ばす事に成功させた。
ただし非常に高価な乗り物であり、ウルゴー帝国と一部の海賊達や冒険者達が乗るに留まり、人々が気楽に所持できる物ではない。現実の飛行機と似た様な価値を持つ。
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●伝説の五竜
ドラゴンポリスを統治していたのは以下の5匹のアンシェント・ドラゴン。
赤竜、女帝/ヴィスカス:気性が荒く、好戦的で高慢。身勝手な利己主義者。
白竜、魔竜/トーラス:穏やかで忍耐強く、魔法の知識に長ける実質的な指導者。
青竜、知将/コウゼイアー:冷徹で計算高い策士。天才或いは狂気の科学者。
黒竜、幻王/ガーズール:排他的で孤独を好む孤高の王。酸の海の底で眠る。
緑竜、将軍/ドルニエプル:強大な竜で好戦的。統率者あるいは支配者を望む。
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残された五竜の伝説は抽象的な部分が多く、確かな事は現在、地上には巨人族によって竜族への呪いがかけられており、知力に乏しい獣と化してしまい、冒険者達によって討伐されてしまい、長生きする者は殆ど居ない。
幸いにして呪いを逃れた竜は地下や神殿、遺跡などの奥深くに棲み、人が近付く事を許さない危険な存在となっている。
これらの現存するドラゴン達よりも五竜は二回りほど大きく、緑竜に至っては倍ほどの巨体を持つと言われている。
唯一、白竜トーラスのみ、人間との交流を未だに続けているが、それは彼の強大な魔力によって自らの住まう城に結界を施した上、老人の姿でしか行動できないという限られた生活で成り立っている。
故にトーラスはその城から出られず、竜の姿にもなれず、巨人族のかけた呪いを解く方法を探しているという。
滅亡戦争後、ドラゴンポリスは上記の呪いによって壊滅し、呪われた不死竜達の闊歩する場所と化し、ドラゴン・ネクロポリスと呼ばれている。
この地には無尽蔵と呼べるほどのドラゴンシャードが存在し、魔力発電を行う為に採掘を目的として訪れる者が多い。
無論、屍竜に見つかればそれまで、という覚悟をもった命知らずの者達である。
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●ドラゴンシャード(竜水晶)
ドラゴンシャードは、本来はドラゴンの寝床にある宝石に、ドラゴンの魔力が宿った特別な宝石を差す。
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また、ドラゴンは魔力の宿っていない宝石に自らの魔力を吹き込む事でドラゴンシャードを作る事も出来るらしい。
これとは別に、ドラゴン・ネクロポリスには、竜一体そのものが水晶化していたり、あたりの地面一帯が水晶化しており、その水晶に魔力が浸透して竜水晶化している為、手に入れる事そのものは容易い。
ただし品質はピンキリであり、ほとんど屑同然の竜水晶もある。
しかしそれらの屑レベルの竜水晶でも、数を集めれば変成術によって合成する事が出来る為、無価値という訳では無く、現金と同様の扱いで取引される事もある。
10プラチナもしくは竜水晶の破片20個で売ります。という具合である。
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作者名
開田宗介(かいだそうすけ)
ジャンル・キーワード
ジャンル ハイファンタジー〔ファンタジー〕
キーワード R15 残酷な描写あり オリジナル戦記 冒険 ファンタジー コメディー シリアス ハーレム ロボ少女 尻 異世界 ゴシックファンタジー 魔法使い/魔女 自律機構戦闘体
この作品のここがオススメ!
エルドリッチナイト、コンストラクト、シンタオモンク、ローグメカニック等、ゴシックファンタジーRPGの設定上で描かれた冒険ファンタジーです。
洋物ゴシックファンタジーは物語として重い、暗い物が多く、読むのがしんどいという方。
和風ラノベファンタジーは説得力が無くてつい愚痴が出てしまうという方。
説得力に関しては愚痴が出てしまうと思いますが、ドラゴンランス等に準ずるファンタジーストーリーを目指して書いた作品ですので、ご一読下さいませ。
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