ダリアの幸福
あらすじ
「もうこのままでいられないことは、わかっているから」
決意するたびに、何度も何度も振り返ってしまう。
前に進んだはずなのに、後ろが気になって後戻りしてしまう。
そんな臆病な僕たちだからこそ―。
親から暴力を受ける双子の高校生、日向と彼方。
ずっと一緒にいると思っていた。
ずっと一緒にいられると思っていた。
でも、そうじゃなかった。
違えた双子の行く末は、一体――。
作者のひとこと |
狭い世界に生きる少年たちの成長を描く青春小説です。 |
主な登場人物
■高橋日向
双子の兄。一人称は俺。
あまり彼方以外の人と関わろうとしないクールな性格。手先が器用。
■高橋彼方
双子の弟。一人称は僕。
誰に対しても懐っこく、特に女子にモテる。
しかし日向への執着は尋常ではない。
■坂野亮太
クラスメイト。バスケ部。
明るく人当たりもいいが、空気を読めないのがたまにキズ。
日向と仲良くなろうと試みる。
■中村将悟
クラスメイト。金髪バンドマン。
見た目はヤンキーのようで取っ付きにくいが、真面目で人の世話をよく焼く。
亮太とは中学からの友人。
■新田百合
日向に好意を寄せている一年生。
設定
『』
作者名
麻丸。
ジャンル・キーワード
ジャンル ノンジャンル〔ノンジャンル〕
キーワード 残酷な描写あり 青春 高校生 男子高校生 虐待 片親 双子 依存 恋愛 なろうコン大賞
この作品のここがオススメ!
3歩進んで2歩下がる。
前に進んだはずなのに、後ろのことが気になって、チラチラ振り返っているうちに、少し後戻りしてしまうそんな双子です。
子供の世界というのは、我々大人からすると、ものすごく狭い世界です。
家と学校、隣町くらいまでの半径20キロくらいの世界が、彼らの世界の全てなのです。
その狭い世界で培われた「普通」は、広い世界での「異常」だと気づけないのです。
その狭い世界を飛び出す勇気がないのです。
そんな狭い世界でウジウジ悩む、愚直で純粋さが、思春期の魅力ではないでしょうか。