シュナイデンヴェルト
あらすじ
両親を亡くしたばかりの17歳の少年ラザァ フラナガンはある日、落雷とともに気を失う。
ラザァが目を覚ますとそこは龍が悠々と空を舞い、異形の人間が闊歩する世界だった。
ラザァはそこで銀髪青眼の謎の少女ミラと出会う。
そして2人は異世界の都市パイリアで起こるとある誘拐事件から都市の存続に関わる大きな陰謀に向き合うことになる。
共に「家族」のいないラザァとミラ。自分の生まれた世界から追い出されたラザァ、自分の生まれた世界に絶望したミラ。
そんな2人と親友エリー、パイリアの衛兵ガレンなどが織りなす異世界ファンタジー、サスペンス、ラブコメディ。
主な登場人物
ラザァ フラナガン
主人公 17歳
茶髪に緑の目の少年、明記はされていないがドイツ人と思われる。落雷によって世界が交差した時にパイリアの直ぐ近くにやってきた。その後ミラ、エリーと出会いパイリアで宿を取り、ヒルブス達の陰謀に巻き込まれる。
バザロフによる爆弾テロ事件の後、オードルトから異民に関する部署の責任者を任される。ただいま名前を考えている最中。
第二幕ではダルクからこの世界のことについて講義を受け、また剣術や銃火器の扱いを教わる。その一環として行方不明になったガレン捜索部隊に同行することになり、レレイクにおける異変に巻き込まれる。
基本的にお人好しで穏やかな性格。妹がいたので面倒見が良く、困っている人を放って置けないタイプ。好奇心旺盛で自然や動物が好きで図書館の本を暇を見つけては借りてきている。
バザロフによる爆弾テロ事件の後はミラとは雇い主とお手伝いさんの関係になる。
身長約176cm
ミラ
ヒロイン、もう1人の主人公 年齢不明
ヒルブスの屋敷でほとんど軟禁状態だった銀髪青眼の少女。自ら周りの人間を遠ざけるような態度を取っていた。その正体は古龍と人間のハーフにして自在に変身することのできる(第一幕の時点では自分の意思で変身はできない)希少種。体が龍化すると変身するより前の段階として目が紅く染まる。
バザロフによる爆弾テロ事件の時に龍の姿でラザァ達を助ける。事件解決後は自らの意思でラザァ達の前から去ろうとするがラザァに必要とされていると知り、ラザァの就職先でラザァを助ける事を心に決める。
第二幕ではラザァの部屋でパーティーをしたり2人で市場で晩御飯を食べたりとかなり距離が縮んでいる。ラザァと共にガレン捜索部隊に加わりレレイクの異変に巻き込まれる。
根は優しい性格だが、自分の体質による度重なる悲劇により心を閉ざしていた。エリー以外と話すらしない生活を送っていたがラザァと出会い、少しずつ心を開いていく。
名前で呼ばれたり、必要とされているということでラザァに好意を抱いている節があるがラザァもミラも恋愛事に疎いためどうなっているのか不明。
身長約161cm
ガレン レスフォード
年齢不明
パイリアの衛兵。額が広く、短く刈り込んだ金髪の大男。異民の恩人がいたという理由でラザァを助ける。その際爆弾テロ事件に巻き込まれる。
第二幕では冒頭からレレイクを調査中に行方不明となっていてラザァ達と合流するのは終盤になってからである。
衛兵で筋骨隆々の割にはラザァとミラに比べて戦闘面の活躍がイマイチ。
パイリアの門の衛兵だったがバザロフによる爆弾テロ事件の後は昇級し、城勤務になる。
基本的にお人好しな性格で義理堅い。同僚の獣人のアズノフとは犬猿の仲で会うたびに口喧嘩をしているが内心では大切に思っているようである。
身長約182cm
エリシャ ウィズ
16歳
ミラの親友、通称エリー。緑の目に肩までの金髪で天真爛漫な今時の女の子。喫茶店やお洒落には作中で最も詳しい。父親がパイリア軍の警備関係の責任者のためバザロフに目をつけられ誘拐される。その後ラザァ達に助けられる。普段は学校に通っている。
第二幕では舞台がパイリアを離れたレレイクのため出番が激減しており、序盤に少し登場するのみである。
明るく、フレンドリーな性格で困っている人を放って置けないタイプ。ミラの凍てついた心を溶かしてくれるのはラザァしかいないと踏んでいる。よくラザァとミラの仲をからかっている。
身長約160cm
ユヤ オードルト
年齢不明
パイリア議会の最高議長。獣人と人間のハーフで垂れた大きな耳が特徴。レオン ウィズがバザロフに情報を流した事を掴む。
第二幕ではラザァの先生としてダルクを指名する。その後、行方不明となったガレンの捜索部隊としてダルク、エリダをレレイクに送り、ラザァとミラも同行させた。
普段はお茶目な老人だが、その高い知性と話術、人望で絶大な人気を誇る。
ラザァの勇気と行動力に感動し、パイリアにとどまるように頼み込む。
レオン ウィズ
エリシャの父親。パイリア衛兵の警備主任でオードルトからの信頼も厚い。
第一幕でエリシャが誘拐されたことによりバザロフに爆弾の警備計画を漏らしてしまい、結果的にバザロフのテロ攻撃を助ける。その後オードルトに見破られ、逮捕される。
ダルク ローレンス
パイリアの衛兵。オードルトから絶大な信頼を得ている。
第一幕では名前のみの登場。
第二幕ではラザァの先生役として登場、その後ガレン捜索部隊の総指揮をとる。ミラのことを気にかけていた。
本が好きで凝り性(微妙にオタクっぽい)の美中年。剣術の腕はパイリアでもトップクラスだが本人曰く射撃の方が得意。
身長約178cm
ベルグフォース アバート
パイリア軍最高の戦士と呼ばれる男。あの世界から生還した唯一のパズーム人として有名。普段はパイリアにいない。
第二幕では名前のみの登場。
ビクトル グレゴール
パイリア城の魔導士。いわゆる文人。世界をつなぐ扉を開く事が出来る強力な魔法使い。
第二幕では名前のみの登場。
ダルクとは学校の同級生。
アズノフ ネイク
年齢不明
パイリアの衛兵で獣人。バッファローの見た目をしている。ガレンとは犬猿の仲。
バザロフによる爆弾テロ事件の後は昇級する。
第二幕ではラザァに与えられた仕事場の屋敷の掃除のお手伝いをしている。
身長約185cm
ヨットルド ギグ
パイリアの衛兵で獣人。大トカゲの見た目をしている。
第一幕ではオードルトの警護を担当していた。
エリダ ギスレット
年齢不明
パイリアの衛兵。珍しい女性兵士。城勤務。ガレンの知り合い。
第一幕ではオードルトの警護を担当していた。
第二幕ではガレン捜索部隊としてダルクに同行する。
よくミラとラザァの仲をからかっている。ミラのことは同性として気にかけている様子。
身長約163cm
キーフ トーラー
パイリア衛兵、金髪の中年男性で落ち着いた雰囲気。
第二幕ではオードルトと外交(東のユデンとの武力衝突を避ける事について)会談していた。
ウェルキン ホービス
18歳
パイリアの新人衛兵。金髪の短髪の好青年。爆弾テロ事件の後はラザァの部下になる。
第二幕ではラザァに与えられた仕事場の屋敷の掃除をしている。
極度のあがり症
身長約176cm
ヘレナ ユスティア
16歳
茶色い目に肩までの軽くウェーブのかかった茶髪。ウィズ家に仕えていたお手伝いさんの少女。爆弾テロ事件の後はラザァの部下になる。
第二幕ではラザァに与えられた仕事場の屋敷の掃除をしている。
実は孤児であり、レオン ウィズの厚意でパイリアに住んでいた。そのせいかミラもすぐに打ち解け、自身の秘密を明かすなど良好な関係を築いている。落ち着いており丁寧な物腰で全ての人をさん付けで呼ぶ。作中ではもっともまともな人間の1人。料理が上手い。
身長約157cm
ニーナ メルデア
レレイクの村の若き女農家
第二幕では村に来たラザァ達に初めて会う。結果的ににトドメを刺した。
敵サイド
アルバード ヒルブス
年齢不明、ミラを軟禁していたパイリアの富豪。身寄りのない子供を引き取る優しい老人とされていたが裏では武器の密売やフリークショーの運営をしていた。
シヴァニアのテロリストに武器を横流しして援助、爆弾テロ事件を起こした黒幕。
爆弾テロ事件の後はアズノフに逮捕され、パイリア城に幽閉される。
イワン バザロフ
第一幕の裏の主人公。年齢不明、パイリアの北の国家シヴァニアの元大佐。
反パズームの過激派として暗躍していたがヒルブスの援助を得てパイリア軍から大型焼夷爆弾を強奪し、テロを起こそうとする。ラザァにテロを防がれた後川に落ちる。その後の行方は不明。
やり方はともあれその考えはラザァに影響を与えた。
ダニ、リブ
本名、年齢不明。バザロフの古くからの部下。ラザァ、ガレンと地下道で戦い、最後は自殺する。
ジャック グレスリー
レレイクの中にある村の村長。
レレイクの異変を引き起こした黒幕。
龍
多数の龍の存在が確認されており、鳥龍、飛龍、水龍、魚龍、獣龍、蛇龍、そして古龍に分類される。それぞれ危険度に応じてランク付けされている。
ラプトドラ
ランク3 飛龍
ラザァが初めて見た飛龍。体長5〜8メートル。肉食。パイリア近郊でも比較的よく見られる小型の飛龍。
ガラナンダ
ランク5〜 蛇龍
密林や湿地帯に生息する巨大な蛇。火を吐くなどはしないがその巨体から繰り出される攻撃は全て致命的な威力を持つ。個体差が大きいことで知られ、体長10〜40メートルの幅がある。そのためランクも個体により異なる場合がある。
第一幕ではヒルブスの屋敷の地下で登場。ラザァ達に襲いかかるがその後龍化したミラと戦闘になる。その後の生死は不明。
ミラ(龍化状態)
ランク不明 古龍
体長7メートル。全身を銀色の体毛に覆われ、燃えるような赤い目をしている。火を吐くことも可能。人間状態のミラの意識はあるらしく、ラザァ達を助けて、バザロフ確保に協力した。第一幕時点ではまだ制御出来ておらず、自分の意思で変身はできない。
設定
世の中には複数の異なる時間軸の世界があり。それが突然交差することがある。
パズームという国のパイリアという都市が舞台。昔戦争に勝ち裕福な都市だが、その分他国から恨まれていることがある。
人間の他に獣人や悪魔などの亜人も生息している。人間と亜人の間のこどもには基本的に片方の形質しか受け継がれないがまれに両方の形質を受け継ぐハーフが生まれる。中でも自由に変身できる者は希少種と呼ばれ、過剰に崇められるか忌み嫌われる対象になっている。
魔獣と呼ばれる異形の怪物がいる。龍は別格とされ一部の地方では神と同格と崇められている。
あの世界について
いくつかの世界があると作中で語られており、主な物はラザァの元いた世界、そしてミラ達のいる世界、その2つの他にあるものがあの世界と呼ばれる世界である。
この呼び名は名前を付けるのすら恐れ多いとされるための通称である。言い伝えによるとあの世界にはミラ達のいる世界の魔獣や龍とな比べ物にならないレベルの強さの生き物しかおらず、また、その生き物は全て古龍と敵対関係にあるということがわかっている。情報の少なさの原因としては、行き来する方法が確立されていない点と、生きて帰れる人間がほとんどいないためである。(記録にある中でパズーム人で生きて帰ってきたのはベルグフォース アバートのただ1人のみである。)
イブナリバ
あの世界における生態系の頂点に君臨されると言われる生物。体長約10メートル。
コウモリと昆虫を混ぜたような頭、長い首、亀のような甲羅、龍のような翼、装甲車の鉄板を打ち抜く棘の生えた尻尾という不気味な姿をしている。
飽くなき殺戮衝動で自分が死ぬまで周りの生き物を殺し続ける、昔は集団で古龍を襲って何種類もの古龍を絶滅に追い込んだ。戦闘能力は軍の一個大隊以上と言われ、龍のランクに換算すると8〜と言われている。
作者名
たる
ジャンル・キーワード
ジャンル ファンタジー
キーワード ファンタジー 異世界 サスペンス バトル ラブコメ 恋愛 龍 おっさんが活躍
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よくある異世界物だが独自の設定が多く盛り込まれている。(焼夷爆弾の中身に火龍の体液をガス状に加工して使用している等)