賢者の孫
書籍
小説
あらすじ
あらゆる魔法を極め、幾度も人類を災禍から救い、世界中から『賢者』と呼ばれる老人に拾われた、前世の記憶を持つ少年シン。
世俗を離れ隠居生活を送っていた賢者に孫として育てられたシンは、前世の記憶もあり賢者の技術を尽く吸収し、自らも魔法を開発出来るまでに成長した。
そして15歳となり独り立ちしようかという時に祖父は言った。
「あ、常識教えるの忘れとった」
常識外れに成長してしまった孫に世間一般の人間のレベル、世間の常識、そして人付き合いを教える為、アールスハイド王国王都にある『アールスハイド高等魔法学院』へ入学させる。
主な登場人物
シン=ウォルフォード
本作の主人公。お人よしで仲間思い。前世の記憶を持つ転生者。前世は日本に住む地球人であり、普通の会社員であったが事故により死亡。本作の舞台である魔法が使える異世界に転生する。マーリンにより拾われて彼の家名を貰い、孫として育てられる。賢者と呼ばれる祖父の魔法技術を前世の記憶もあって、次々と吸収し、やがて自分で魔法を開発できるようにまでなった。魔法だけでなく、魔法付与技術をメリダから、体術をミッシェルから学ぶ。15歳になり、成人を迎えたときに、シンが魔法以外の常識を知らないことやシンの規格外の力が発覚する。知識や常識を学ぶためにアールスハイド王国王都にある『アールスハイド高等魔法学院』へ入学することになる。
入学当初から賢者の孫として注目されていたが、学院内で発生した魔人騒ぎを解決したことを皮切りに一躍脚光を浴びるようになる。
シシリー=フォン=クロード
本作のヒロイン。青色の長い髪をした美少女。おとなしく、誰に対しても優しく接する。クロード子爵家の三女。回復魔法や索敵魔法が得意。王都でハンターに絡まれていたところをシンに助れられたことをきっかけに彼に恋心を抱くようになる。中等学院の頃から、男子にモテていたが恋愛感情に発展することはなかったので、シンが初恋相手だった。
究極魔法研究会の夏合宿の時にシンに告白されて、晴れて恋人同士になる。恋人同士になってからイチャイチャ度が増した。
シンが周りから不当な評価を受けたり、侮辱されたりするとシン以上に激昂する。
マリア=フォン=メッシーナ
メッシーナ伯爵家の二女。少しつり目で大きい茶色い目をした茶髪の女の子。シシリーとは生まれたときからの親友。貴族の娘なのだが、それを感じさせないさばさばとした感じの女の子。マリアもまたシシリーと一緒にハンターに絡まれている時にシンに助けられたことをきっかけに知り合う。彼氏がなかなか出来ないことに嘆いており、シンとシシリーなどのカップル組がイチャイチャしていると負のオーラを発し、悪態をつくことが多い。
アウグスト=フォン=アールスハイド
アールスハイド王国の第一王子。通称「オーグ」。クラスメイトや王国兵士が「殿下」と呼ぶ中、シンだけは愛称である「オーグ」と呼んでいる(アウグストの父親であるディセウムがシンとは正体を明かすまで親戚のおじさんとして付き合っていたので、シンはアウグストのことを従兄弟として認識している為)。シンとは気安いやり取りをしており、よく彼をからかっては楽しんでいる。腹黒い性格。
トール=フォン=フレーゲル
銀髪で丸眼鏡をかけた背の低い男の子。フレーゲル男爵家の嫡男でアウグストの護衛の一人。幼少の頃からアウグストの護衛を務めていたが、立場の関係から対等に話をすることはなかった。高等魔法学院でアウグストと気安いやり取りをしているシンと出会ったことをきっかけに苦言や助言を遠慮なく言える間柄になった。
自分の見た目を気にしているらしく騎士にあこがれがあったり、ゴツいシルバーアクセサリーを好んだりと強い男になりたいという願望がある。
ユリウス=フォン=リッテンハイム
短い金髪に逞しい筋肉と大きな体が特徴の男子。身体強化魔法が得意な肉体派。喋り方が武士口調。リッテンハイム侯爵家の嫡男でアウグストの護衛の一人。トールと同じく、アウグストとの付き合い方がシンとの出会いがきっかけで変わった。
アリス=コーナー
金髪ショートカットの碧眼の女の子。子ども体型。ムードメーカーでお調子者。父はハーグ商会の経理を行っている。よく遅刻をする。
リン=ヒューズ
黒髪ショートボブで縁の細い眼鏡を掛けた中肉中背の女の子。通称、『暴走魔法少女』。口数は少ない。シンの魔法に大変興味を示しており、特にゲートの食いつきは凄まじく、習得した時は歓喜した。ネーミングセンスが独特。
ユーリ=カールトン
色気がある女子生徒。甘ったるい喋り方をする。実家はホテルを経営している。付与魔法が得意。メリダから直々に付与魔法技術を教わったことで技術が向上し、『導師の後継者』と称されるようになる。
トニー=フレイド
茶髪で背が高く、細身のイケメン。女性好きで多数の彼女がいるチャラ男。家は騎士の家系なのだが、男女比率が1:9という騎士養成士官学院の環境が嫌で、Sクラスに入る事を条件に魔法学院に入学を果たした。
マーク=ビーン
茶色い髪に黒い目、ソバカスがある少年。実家は鍛冶屋『ビーン工房』。そこで工房の手伝いをしている為、引き締まった体をしている。工房では一番下っ端なので常に敬語口調。語尾が「○○ッス」で締めることが多い。オリビアとは幼馴染。元々はAクラスだったが、究極魔法研究会に入会し、魔法技術が向上したことでオリビアとともに途中からSクラスの一員となる。
オリビア=ストーン
セミロングの黒髪に青い目をした綺麗系の美人。食堂『石窯亭』の看板娘。お店の手伝いで水をよく使うので水魔法が得意。マークとは幼馴染。マークと同じく魔法技術の向上により、AクラスからSクラスに移籍する。
設定
用語
魔法
付与魔法
物品に概念を載せた魔力を転写する魔法。魔法が付与された物品を『魔道具』と呼ばれる。魔力を転写するには『自分の理解している言葉で現象を書き込む』必要がある。書き込む物によって記載できる文字数の制限がある。安い素材は少なく、高い素材は多い。本作の世界で用いられている文字はアルファベット等と同じく文字がいくつか揃って初めて意味を為すものなので、綴りの多い文字の付与は難しい。シンは文字の付与に一文字で意味を為す漢字を用いることで上記の問題を解決し、彼にしかできない魔道具を次々と生み出していく。
異空間収納
異空間を創り出し、その中に物品を納めることが出きる魔法。それなりに難易度があり、究極魔法研究会の入会条件にするほど。
ゲート
シンが異空間収納を参考に開発した移動魔法。今いる場所と行きたい場所を『線』ではなく『点』で結ぶ事をイメージしている。一度行ったことがある場所しか行けないが、距離制限はほぼない。当初は、シンしか使えていなかったが後にマーリン、シンを除く究極魔法研究会の全員が使えるようになった。
機関
究極魔法研究会
アウグストの一言がきっかけで結成された研究会。メンバーはSクラスの全員とAクラスのマークとオリビアを含めた計12人。入会条件は異空間収納が使える事。研究会の命名者はリン、研究会代表はシン、顧問はアルフレッドとなっている。研究会の目的は「皆で魔法を極めましょう」となっている。活動内容は、主にシンがメンバーに魔法を使うのに大切なイメージを教えている(火はなぜ燃えるのか?など)。ちなみに男子は全員恋人・婚約者がいる(女子はシシリーとオリビアのみ)。
アルティメット・マジシャンズ
魔人に対抗するための集団。
魔道具
バイブレーションソード
シンが開発した超音波振動が出ている薄い刀身でできた剣。
ジェットブーツ
シンが開発した踵の部分からジェット噴射が出て、移動や跳躍の補助が出来る靴。空中での方向転換も出来る。使いこなすまで時間がかかる。
作者名
吉岡剛
ジャンル・キーワード
ジャンル ハイファンタジー〔ファンタジー〕
キーワード R15 残酷な描写あり 異世界転生 主人公最強
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