D線上のクオリア のバックアップ(No.28)
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あらすじ
今よりほんの少し未来。科学技術と文明文化と紛争勃発が膠着しだした二十一世紀中盤、次元転送装置と呼ばれる世界を変革する技術が勃興した。
それとともに刻々と変革してゆく社会とその構造に翻弄されながらも、狡猾に生き抜く人々の生活があった。
世界を構築しようとする者、それらに抗う者、人類社会はまた新たな天秤の上にある。
父母を亡くした加納恵は府立高校に通いながら、引き取られた山吹家で家政婦業を営む頑張り屋さん。父の事業を破壊した次元転送社会との折り合いをつけていく中で、自身も次元転送社会に身を投じ、擁護する側の組織員となる。
ヴィ・シードという謎の次元装置をめぐり、社会の天秤の均衡を保つため、恵をはじめとする少年少女が苦悩し奔走し答えを見出してゆく群像劇第一部。
魂の謎、神の存在、あらゆる憶測と騒乱が飛び交った人類史に光明が見えた時、人類はいかなる選択をするのか。
近未来ハードSFギミックから戦隊ヒーロー、そして魔法少女まで、全ての世界を守るヒーロー、ヒロインたちの群像物語を相楽山椒の妄想爆発で書き下ろす五部作SF大長編。
D線上のクオリア 全5部立て
1部 戦闘家政婦編
2部 次元戦隊編
3部 四柱の風(仮)
4部 神殺し
5部 モノクロームの天使(仮)
主な登場人物
戦闘家政婦 編
山吹家
加納 恵 (かのう めぐみ)16 2041時
両親を失い天涯孤独になった末、山吹家に居候する傍ら家政婦として働く少女。
ある事件をきっかけに山吹家および次元転送社会を保守警護するGODSの戦闘員(戦闘家政婦)として従事するようになる。
携帯型DFSデバイスを用いて駆動外骨格、オーバードライブフレームを駆る。
山吹 大輔 (やまぶき だいすけ)42 2041時
元ヤクザの親分。日本DNS株式会社のCEO。父を亡くした恵の身元引受人となる。
加納五郎とは旧知の仲。大柄で和装を好み、普段から着物で過ごしている。
明奈 美千留 (あきな みちる)38 2041時
山吹大輔の妻であり、若い頃から第一線で活躍する有名個性派女優。三児の母。
バツイチであり、前夫は大物俳優の井之頭健。
加納 五郎 (かのう ごろう)享年41
恵の父。親子二代にわたり老舗の自動車整備事業者で、恵の生き方に多大な影響を与えた。山吹大輔とは親友だったが、大輔が次元転送社会を推進していることを知り、その距離は離れてゆき、やがて次元転送社会を否定するようになる。
加納 紗子 (かのう さえこ)享年35歳
加納五郎の妻 恵が十二歳の時にがんで死去
山吹 尊 (やまぶき たける)19 2041時
山吹家の長男 明奈美千留と井之頭健の長男。イズノに就職し宇宙開発に従事したいと考えている。
山吹 衛 (やまぶき まもる)16 2041時
山吹家の次男 明奈美千留と井之頭健の次男。子役を経て俳優の卵として活躍している。
山吹 凛 (やまぶき りん)11 2041時
山吹家の長女。山吹大輔と美千留の間に生まれた娘。狡猾で気が強い。恵を姉のように慕い、女性として尊敬していると同時に、強い人や正義のヒーローに憧れている。
GODS
田能 誠一 (たのう せいいち)30 2041時
山吹家の “家政夫”で、恵の上司だが、本当の顔は日本DNSの警備部門GODSの三役筆頭を受けもつ実質上の隊長である。西国本所のナンバー1であり、山吹大輔には最も長く仕えている。コードはG1
柴島 祐也 (くにじま ゆうや)34 2041時
山吹家を本拠地とする西国本所のGODS本部におけるナンバー2で、冷酷冷徹な言動が目立つ男だが、意外に言う事はまとも。
しかし風貌は他者を寄せ付けないスキンヘッドと悪魔のような職質確実の人相。普段は十九世紀の英国紳士調のスタイルと言動を好む。コードはG2
吉川 竜介 (よしかわ りゅうすけ)24 2041時
GODS西国本所のナンバー4、ひょうきんでおっちょこちょいな側面があり、子供にも人気がある。サングラスが好きで毎日替えても一年でかけきれないほどの量を持っている。
冬はスカジャン、夏はアロハというチンピラの王道ファッションで、愛車は1957年のビュイック、ロードマスターリビエラ。車好きで加納五郎とも懇意にしていた。コードはG4
桐谷 樹菜子 (きりたに きなこ)30 2041時
GODS西国本所のナンバー3、誠一と同じく最も長く大輔に仕えている側近。アフリカ系民族とのハーフ。GODS内の武具、武器の管理とともに、その扱いは超一流。戦闘力だけを取れば最も能力のある隊員。女らしさは皆無と言っていいほど男勝りな性格。
普段は露出度の高い服装を好み、男性アイドルフリークを自称する言動の軽い痛いアラサーを演じている。コードはG3
篠山 (ささやま)三十代後半
本部に常駐するオペレーターの一人で、オールバックにロイドメガネが特徴的な元自衛隊情報部員。
桧山 (ひやま)二十代後半
本部のオペレーター。坊主頭で無愛想な元工学系研究所職員。バイク弄りが趣味、工作が得意で、恵が引き継いだ五郎のバイクをカスタムした。
友人関係、他
山城 忍 (やましろ しのぶ)16 2041時
付かず離れずの恵の友人。小柄で明るく奔放な性格。細かいことは気にしないおおらかさがある。小動物のように可愛らしい外見をしており、直ぐに誰とでも打ち解けあう。
一つ年上のタカシという彼氏がいる。
山城 密 (やましろ ひそか)12 2041時
忍の妹、恵とも面識がある。小学六年生。
野宮 香苗 (のみや かなえ)カナ
忍、恵のクラスメート あだ名は優等生。本来の意味において優等生なわけではなく、外見は茶髪でその振る舞いも真面目とは程遠い。しかし、なんでも上手く立ち回り上手くやりこなす器用さと狡猾さと幸運を持ち合わせる。「神に愛された女」と自称する。
藤 美也子 (ふじ みやこ)ミヤ
忍、恵のクラスメート。忍の幼馴染で容姿端麗、細身で腰まであるストレートの黒髪が美しいモデル並の女子。しかし外見とは裏腹に大食。芸術的なセンスに秀でており、絵や歌が上手い。
荒木 芦田
恵、忍らのクラスメート男子
磯川
恵のクラスの担任 チェーンスモーカー、九州出身。
岡部
商店街の精肉店店主。商店会長。五郎とは古い知り合い。
金田 宗次 (かねだ そうじ)14 2041時
凛の幼馴染であり先輩。地域のガキ大将的存在。恵とは友達のような関係を築いているが、恵は宗次を子ども扱いしている。
マキタ 16 2041時
5歳の時に両親を飛行機事故で亡くしている。運送会社を経営する叔父に引き取られ、東京の八王子で育つ。奔放に育てられた結果かなりやんちゃに育ったが、両親に恋い焦がれるナイーブな側面も持つ。直情的なところもあるが、実は思慮深く努力家でその姿はあまり人には見せたがらない。
肌の色は黒めで髪はくせ毛、目鼻立ちははっきりしており、有り体に言えばワイルドといった印象を与える容姿をしている。
バイク好き。愛車は実の父親が残した1978年式ハーレーダビットソンFXSローライダー。
ジュン 16 2041時
父親を幼い頃に亡くし、母親と祖母と共に京都の漁村で幼少期を過ごした後、母親の再婚と共に上京。マキタとは小学校の頃から親友。
東条啓太郎を先輩として尊敬しており、自身も愛読書がアンダーサイエンスという、次元物理科学の研究者を目指す聡明な少年。
マキタとは対極の容姿で、色白で線が細く中性的。言動も全体的に柔らかく女子からは人気の的。北欧系の父親と日本人の母を持つハーフ。
千石千鶴 (せんごく ちづる)19 2014時
『石切さん』の愛称で親しまれる、石切剱箭神社(いしきりつるぎやじんじゃ)の巫女。
少し太めの愛想のいい女性で、恋もおしゃれもほどほどに、恵の良き先輩ともいえた。
豊富 英善 (とよとみ ひでよし)太閤様 エーゼン閣下 49 2041時
日本DNSお抱えのなにわ工科大学の教授 次元物理技術の特許を数多く持つ。独創的なアイデアで様々なGODSのための装備を開発する。他人に勝手なあだ名をつける癖がある。
一方で山吹の日本DNS株式会社とのみ技術顧問の契約をしており、GODSの装備品の一切の開発と整備を仕切る人物で、山吹邸内のGODS施設内でなにわ工科大学特殊研究分室という部署を勝手に作り、しょっちゅう出入りしている。
世間では科学者としての豊富の認知度は低いものの、度々バラエティ番組に出演しては「変人科学者」として笑いの種にされている。ちなみにペンネームは“エーゼン閣下”ニックネームは“太閤様”である。本人もいたく気に入っているという。
六角堂聖人 (ろっかくどう まさと) 年齢不詳 (推定30歳)
新興の宗教法人「麒麟光浄会」の代表。世紀のイケメン超能力者とも呼ばれており、テレビメディアでは引っ張りだこの人気者。本人は力のことをマジックだと言い張っている。
池端 太郎 (いけはた たろう)
警視庁公安五課特捜係の敏腕課長。ヤクザ時代の大輔と旧知の中で、その絡みもありGODSとも連携してディックの対処にあたっている。豊富からは「ハム太郎」の愛称で呼ばれている。
高瀬
クラスメートの男子。バスケ部のエースで、高校一年生から恵のことを好いており、告白したが振られる。見た目はチャラいが気持ちは純粋で一途。
安垣巡査長
GODSのある石切を管轄する枚岡署の女性警察官。
川野警部補
枚岡署の公安捜査課、課長代理。
上林警視
同じく枚岡署の署長。関東出身のキャリア。
設定
施設・組織
国際宇宙航行機構 (international space navigation organization) ISNO イズノ:
通称『イズノ』いわゆる従来の燃焼式推進装置を持つ宇宙船技術および宇宙工学を基礎とした、次元物理科学が隆盛するまで最先端科学技術を先導していた国際団体。中心にNASAがある。当初は次元物理科学委員会と反目していたが、現在は協力体制にある。
国際次元物理科学委員会 (international scientific committee on the dimensional physics) ISCD デフィ:
通称『デフィ』と呼称する。サイアス・ミラーを委員長として発足した次元物理科学全分野を管理統制する国際団体。直掩組織として日本DNSを含む各地域の次元転送管理組織と私設警備部門のD&Dカンパニーがある。
サイアス・ミラー亡き後は東条一郎博士が委員長として就任している。
日本DNS株式会社 (Japan Dimention Network Solution Co):
凛の父 山吹大輔がCEOを務める日本の次元転送業界を管理監視する民間企業。次元転送に関するあらゆるライセンスを保持しているため、日本国政府に圧力をかけられている。
GODS ゴッズ(Gurdians Of Dimensional Society):
名目上日本DNSの私設警備部門であるが、実際は次元転送社会を円滑に推進するための裏の公安的存在。次元転送社会への不穏分子や不安要素を排除することを主な目的としている。
実際の警察庁の公安とも連携している、日本独自の組織。
D&Dカンパニー:
名目上デフィの警備部門を担当する組織で、その体や目的はGODSと同様だが、その力は世界に及び、組織規模としてははるかに大きい。世界の主要都市の次元転送社会の治安を守る役目を担っているが、日本においては特殊な事情下にあり、その影響力をGODSと二分しており、主に関東以北の地域を担当している。
NIUS ニウス(Newgeneration International Universal Ststion):
従来のISS(国際宇宙ステーション)の理念を継承し、各国の宇宙開発事業が共同で運営している巨大宇宙ステーション。計画から完成までは三十年はかかるだろうとされていたが、DFSを使用した資材搬送により大幅に工期が縮小され、2041年から運用されている。
ISNOの最大拠点であり外宇宙航行を視野に入れた最前線基地でもある。
コロニー型世代宇宙船:
次元転送による人体転送が不可能という結論を経て、外宇宙へのアクセスを目指した結果生まれた計画で、巨大な船体に遠心力で人工重力を発生させる居住区を配し、船内に住み生活しながら世代を超えて宇宙を航行できる超長距離航宙船。数百年スパンの外宇宙航行に挑むというイズノの構想が結実した人類の最先端技術である。
世界統合政府:
2045年約80パーセントの国と地域がこれに加盟し平和的包括的統合が行われた。当初デフィが主導していたがマイアミ事件以降、勢力を失ったデフィに代わり世界最大の国際組織イズノの中枢部がこれを引き継ぎ、樹立させた。
国連は解体し、国連機能はそのまま引き継がれ、各国は国家としての体裁を保ちながら自治権も存続はするが、強制力と拘束力は国連の比ではない。
全てはデフィが構築したDFSネットワークの掌握が成せる技であるが、これを盾に世界を支配するという組織ではなく、あくまで人類の文明基礎を統合し安定化させるという理念のもとにある統治機構である。
そのため世界政府のトップは大統領ではなく長官とよばれる。
統合政府長官は東条一郎のかつての友人であるラスター・モーガンが就任した。
D&Dカンパニー イズノ管轄
デフィ直轄の世界の次元転送社会を監視する警備組織。組織としては日本DNS株式会社が横並びの地位にある。GODSはこれの下にあたるが、次元転送社会治安活動範囲や権限においては同等。
後年、世界政府の主導をイズノが行うことになり、D&Dの大部分の機能をデフィは移譲することになり、2042年より次元転送治安機構として大規模拡大してゆく。
D&Dカンパニー日本支部:
西日本を統括するGODSに対し、東海地方より東北部を管轄する。後年彼ら次元転送社会治安部隊の存在が明るみに出ると、次元転送評議会はD&Dに肩入れするようになり、日本政府の資金援助も有り、世界政府樹立までの間、DMMの監理の元という条件付きで全国に支部を展開する。
この間にもGODSは独立戦隊の体を崩さなかった。
警視庁公安五課特捜係:通称ゴトク
警察庁における『ヴィ』をはじめとする一連のDICの対応は警視庁公安部が管轄しており、特にGODSと関係が深いのは、もともと暴力団抗争を含む国内テロ対策を担当していた特別広域捜査係であり、その長である池端が山吹と旧知の仲だったせいである。
次元物理科学基礎用語 一般
物質転送装置 次元転送装置 DFS:
正式な名称は次元転送装置。ディメンショナルフォワードネットワークシステムデバイスまたはディメンショナルフォワーディングシステムと、略称のDFSとは広義で装置そのものを指すこともあれば、ネットワーク全体を指すこともある。
一般的には次元同調装置と素粒子分解装置を組み合わせ、物質の転送が自由に出来る装置のことを言う。
民間に技術公表されているポピュラーな装置。状況によりあらゆる並行次元を経由することで転送不良などの転送事故や輻輳を防いでいる。主な接続先はアルファ次元。
次元物理科学:
並行次元世界の存在を提唱し、その利用を転送技術として発表したサイアス・ミラー博士が興した新たな物理学で、素粒子構造の解析とともに、実現した学問。従来の物理法則を覆すものではないが、この人類史上最もセンセーショナルな改革は人類の在り方そのものを変えることになる。
並行次元帯:
物理世界は周波数帯の異なる、複数の並行次元世界からなる多層構造を成しており、それを利用して空間転送(ワープ)することを次元転送と称する。
主に転送に使用できる次元帯はアルファとデルタとされているが、他にも数十種類の並行次元帯の存在が認められている。
アルファ並行次元:
地球次元のすぐ隣にあるもっともポピュラーで常用される並行次元帯。安定的で極めて無害、キャパシティも広くさまざまな転送に使用されている。
地球次元と同じく、数少ない三元触媒をもつ次元帯で、物質を等価交換するほか、等価転送を可能とし、空間転送が確実に行える。
ちなみにデルタは民間には解放されていない、アルファと同じ特性を持つ次元帯であり、主に官公庁や特殊機関にのみ使用を限定している。
地球次元:
多次元世界が常識となった現在では便宜上、現世社会を含む地球人類の世界をこう呼ぶ。
次元同調装置 ディメンションチューナー DT:
ある一定の枠内の物質(素粒子)に対し次元周波数を変更させる装置。
素粒子分解装置 エレメンタリィ・パーティクル・レデューサー EPR:
物質に照射することで分子、原子、素粒子まで分解することが出来る次元波動照射装置。発動時にストロボ発行のような光を出す。
分解されているのは照射されている間だけで、物質に対し破壊を目的として使用できるものではない。
次元波動 ディメンションウェーブ:
一般に、次元転換及び次元転送の際に発生する光波のこと。
次元転送:
民間に公表されている次元理論を応用した機器あるいは施設に実装された物質を空間転送する技術。地球の存在する次元帯と並行する次元帯を利用した転送技術で、天才科学者サイアス・ミラーにより実現した。
アンダーサイエンス誌:
ミラー博士が無名時代から寄稿している科学誌で、内容は主に荒唐無稽、玉石混交と言われる真贋の定かでない研究論文や研究発表がなされる、アンダーグラウンド科学者とマッドサイエンティストと未来科学を夢見る青少年たちの愛読書。
誌で載せられたミラー博士の次元転送技術が実現した今日においても、出版社側のかたくなな信念のために、まともな科学者筋の間では禁書とされている。
創刊は2018年という長寿誌。
次元転送法:
デフィと各国が定めた国際法でDFSの転送制限を記したもの。最もポピュラーなもので「生体転送の禁止」がある。この他に「銃器、火薬、爆発物」「麻薬類」といった各国で定める規制法があり、おおむね従来の運送郵便事業の制限を踏襲している。
リニアカー:
リニアハブドライブを装備した最新型のEV(水素燃料電池電気駆動自動車)の総称。自律走行ができ、無人運行も可能。フロントガラスがモニターになるハーフスクリーンや、マルチリンクスロットで所有者のID管理や、セキュリティシステムを備え、所有者によるカスタマイズが可能な簡素な人工知能も有する。
誠一の持つモデルはスポーツタイプのリニアカーでGM製、2040年式 ナイトファイア トランザム 誠一は密かに「キッド」という名をつけている。
自動車業界は後に開発される、ほぼ無限機動の原動機「ディメンションロータリーエンジン」を持つ「エターナルカー」とシェアを二分することになるが、利便性、積載性においては原動機を持たないリニアカーに軍配が上がる。
プリンターで偽造した年賀状の束:
年賀状を今まで一度も書いたことが無い吉川がプリンターで刷った年賀状で、それまでは誠一が手配していた。ちなみにこの時代になっても年賀状だけは郵便で届くようになっており、年末には新日本郵便事業部が配達員のアルバイトを大量募集するのが慣例である。
リニア新幹線:
言わずと知れたリニアモーターカーである。この頃は在来新幹線もリニア化されて、東京大阪間は外周りと内周りの二幹線となっている。
DICハンター:
DICの現像場所を予測して遊び半分で見物に訪れる輩もいれば、未確認生物を探索するサークルや団体など真剣に考察を深めているもの達もいるが、社会的にはアングラなマニアの総称で呼ばれている。
ホワイトデー:
バレンタインデーと対になった3月14日の男性からのお返しの日であるが、この時代では男女同権の流れも汲まれ、男性から女性に告白する(あるいはしてもいい)日というのが慣例になっている。もちろん日本国内だけだが。
東京ファンタジア:
世界規模で展開する、創始者アラン・ブラウンのファンタジー世界を体現した東京湾上の人工島に作られた巨大テーマパーク。現在も大阪のUSJと人気を二分するエンターテイメント施設である。
リニアハブドライブの大型バイク:
内燃機関動力をドライブシャフトやチェーンを介し後輪に駆動を伝えるのではなく、前後輪のハブ内にリニアモーターを搭載した完全なハブ駆動で、オートジャイロとトラクションコントロールで「絶対こけないバイク」という二輪車。バイクマニアからすれば「そんなものはバイクではない」などと揶揄もされるが、その機動性は従来の二輪車とは比べるべくもない高性能。ただ、とても高価。
粒子測定研究所:
三元素粒子体(物質)の素粒子の状態を測定する機関。各属性の素粒子料が測れる他、情報子スキャンをすることで時系列的に物質の変形や破損、消耗状態なども解析ができる。
北センチネル島:
2041年の現在においても、現代人未踏、未開の地で、上陸した人間は攻撃され生きて帰ってこられないと言われているインド洋に浮かぶ孤島。文明社会を徹底的に排他する島民たちは、古代人さながらの生活様式を守り、外部からの干渉を受け付けない。現状もインド領に属してはいるが、政府も積極的に関与する意義を見いだせないため、不干渉を継続している。
イプシロン物質変換:
イプシロン物質変換器というDFS機器の一つで、ホスト、ローカルという空間座標移動を目的としたものではなく、物質を変動周波数を持つイプシロン次元帯に分解転送し、同じ場所で再構築する定点相転移という方法で地球次元の物質を変性させることができる。
主に材料業界などで広く扱われている一般的な技術である。
次元物理科学基礎用語 特殊
ちゃんねるイオタ:
チャンネルイオタという次元転送時代を代表する巨大インターネット掲示板。主に次元転送関連の話題で日々盛り上がっている。
第三世代DFS:
第一世代をEPRとDTにより転送行程としていたものだとすれば、第二世代は二つの機器を統合し処理速度を速め小型普及化したものをいう。
それに対し第三世代は個人携行が可能なサイズを目指すものであり、それには機器そのものにフィールドセンシングとトランスフィールドデバイスという装置の実装が必要なことから、現行では研究段階どまりで普及の見通しは立っていないとされている。
ヴィ・シードの噂:
反次元転送社会勢力が扱うと言われている謎の次元装置。GODSやD&Dカンパニーはこれを回収することを任務としており、回収されたものはデフィが管理している。
この装置に関してはちゃんねるイオタなどでも取り上げられるように、様々な憶測が飛び交っており、魂を操る、あるいは人体と魂を分離する装置、などという情報が錯綜しており一部の科学者や次元転送マニアの間ではその存在は信じられている。
ゴースト:波動収束体
存在が立証されていない波動体、あるいは波動エネルギー。
人の持つ知性や智慧を伴う感情や想像力、あるいは理性に裏付けされた欲求、肉体構成に関わらない別種の情報体とされ、第四素子、幹情報子、とも呼ばれる。
GODSではこれをDICの発生源とし調査を進めているが、デフィはこれを拒否している。
DIC:ディック ディベロップド・イマジナリー・コンパウンド(Diveropped Imaginary Compound)現像架空体
ヴィ・シードより生み出されるゴーストを実体化したものを総称する。
現像架空体はヴィ・シード装着者であるディベロッパーのゴーストの一部分を削り取り、それをヴィ・シードが三元素粒子体に変換することで実体化する。そのため人が想像しうるすべてのものを実体化させることができるとされている。
ディベロッパー(現像者):
DICを現像する者のことを便宜上呼ぶ。ディベロッパーは現像したDICを破壊されたり失ったりするごとにイマジナリーバックラッシュを受け、精神を病み、いずれ人格が崩壊する。またはそれを越える過大な衝撃を与えられるとディベロッパーは死亡する。
ヴィ・シードの解除によりディベロッパーの意思で消滅させた場合、DICはディベロッパーの背中に刺青のような形で絵と文様としてメモリーされる。
ディベロッパー オブジェクター: 現像架空体
DICの種類の一つ『オブジェクト』を扱うディベロッパーのこと。
オブジェクトとはDICの最もメジャーな形態であるゴーストのイメージを三元素粒子化し、ディベロッパーの身体と別の存在として顕現させる現像の方法。
イメージの仕方次第で不完全なものが生まれることもあり、たとえ現像できても動きをイメージできなければ動かせないことがある。
ディベロッパーに対して身体的負担はないが、精神的負担が多大で、イマジナリーバックラッシュを受けると精神を病む。ただし強靭な精神力や、バックラッシュを受けにくい体質であればダメージを受ける可能性は低く、命の危険はごく小さいと言える。
ディベロッパー サブジェクター: 現像義体
DICの種類の一つ『サブジェクト』を扱うディベロッパーのこと。
サブジェクトとはオブジェクトに対して、自身の身体をゴーストのイメージをもって変化させる現像の方法。
イメージがどのようなものであれ変化させることは可能ではあるが、身体的感覚として動かせない義体は現像ができないため、サイズはオブジェクターよりも小ぶりになる傾向で、およそ人体と変わらないサイズに収まることが多い。
ディベロッパーは自身の身体を使用するため、身体的な齟齬感がなく精神的な負担もないため手軽に扱うことができる。しかし現像義体が傷つけば本来の身体も怪我をするなど、怪我によっては直接的な死に至る場合もある。
DICへの攻撃:
DICに対して通常物理実体攻撃は無効で、DICの三元素粒子体は破壊できない。弾丸、砲弾、ナイフ等などで受けるダメージは適時再生してしまい、ダメージが蓄積することはないため、足止め程度には有効だが倒すには至らない。また身体が再生するため、ディベロッパーが受ける痛みや衝撃は一瞬である。
対してDOSにはじまる次元兵器はDICの三元素粒子体を分解できるため継続的なダメージを与えることができ、それにより“中枢”と呼ばれる部分を破壊すれば一撃で完全消滅を済す。しかしながら中枢を破壊した場合、ディベロッパーの死亡率は格段に跳ね上がる。
GR技術:
Ghost Remove、Reserve、Remoteというゴーストを肉体から分離し、かつ外部保持し、それにより別の素体を遠隔操作することを目的とした技術で、人体転送が不可能だと見切ったミラー博士が次に目指した超長距離宇宙航行計画の柱。人間の意識と体を別々に捉える技術とも言われる。
通販サイト「ジャングル」:
次元転送社会に代表される巨大通販サイトで、いち早くDFSを使った通販事業を手掛けて、瞬く間に業界のシェアを獲得した巨大企業。最初期からデフィに積極的に関与した企業の一つで、あらゆる世界の商品がジャングルを通じて取り扱われている。
当初はDFS転送代行業の側面が強かったが、現在はそれに加えマーケット管理コンサルタントとしてDFSの普及に努めている。
2040年代における特殊装備
ドス DOS ディストラクショナルウェーブ・オプティカル・ソード
素粒子分解波動を利用した光学剣。
触れた部分を素粒子に分解し、同時に次元転送処理で並行次元へと飛ばし、対象の体組織を破壊する。
オーバードライブギア:強化動力外骨格
個人携行兵装の総称で、兵士が単独で大型火器を扱える歩行戦車形態がポピュラー。全高3メートルから4メートルのマスタースレイブパワードスーツで、装着者の操作するマスターアームと同期する強力な両スレイブアームには兵装アタッチメントレールが配され、様々な火器を装着することができる。また一部では作業機械としても活躍している。
卵型の胴体には装甲が施され、戦車砲弾も跳ね返す。
戦車に代わる上陸部隊の拠点攻略の要となると言われている機動兵器。
他にも頭頂高10メートルを超える機体も存在するが、こちらは『メガドライブ』と呼ばれており、機動性の難点を抱えるため、実用化していない。ただ、今のところ実現しているケースで「死ぬまでにロボットを操縦したい」という一部の機械工学マニアがホビーとしてさまざまなプロジェクトが興されている。
他にモーションアシスト機構が組み込まれた甲冑スーツ型のものもあり、兵士の身体能力と防御力を飛躍的にアップさせることができる。簡素で扱いが容易なことから軍事のみならず警察関係の治安部隊にも使用されることが期待されている。また、身体能力をアシストする観点から医療用の補助器具としても期待が高まっている。
光学迷彩:
光に反応する特殊な塗装で、周囲の色温度と波長を読み取り塗装皮膜が無段階的に変化し、明度、彩度を調整し周囲の景色に同調する。ちなみに周囲の景色を表面上に映し出すものではなく、あくまで「見えにくく、識別しにくくなる」といった程度である。高性能なものになると視界が悪い場所などでは透明になったかのように見えることもある。
DOG: DIRECT Over Drive Gear
DIRECTを利用し、身体に直接転送装着するオーバードライブギアのことを、ダイレクト・オーバードライブ・ギア、その頭文字を取って『{DOG|ドッグ}』と呼ぶ。個人が遠隔操作で携行運用できる次世代オーバードライブギアとして注目される軍事技術である。
DIRECT: ダイレクトシステム Dimensional Interface Reinfocement Equipments & Clothes Transmitter:
指向性開放型次元転送装置の一つで、直訳すれば「次元帯接続による強化具および強化服の転送装置」となり、頭文字からDIRECTと表記される。
DFSのような固定筐体プラットフォームを使用しないで、身につけたコネクションマーカーを用いて転送先座標と空間容積を非接触でスキャニングし、非転送物質を受け取る次世代の兵装転送式技術の総称である。
戦闘下において前線に迅速に武器弾薬を供給する事を目的としている。
コネクションマーカー:
ダイレクトシステムにおいて、装着者の身体及び衣服までの情報を適時記憶しておく小型双方向通信DFS端末。この内部に周辺の状況をスキャニングするフィールドセンシングデバイスと、指向性ディメンションフォワーディングフィールド発生器も内蔵されている。
その形状は、腕時計型やチョーカー、あるいはブレスレットやペンダントトップのように加工されて、受信者が身体に装着した状態で使用される。
指向性ディメンションフォワーディングフィールド発生器:
ダイレクト技術の真骨頂とも言える装置で、受信者の指定する一定範囲内に理論プラットフォームを築き、DFS転送空間を形成する。人口衛生を利用した座標認識で誤差は極小。後に利用されるDOGに関しては事前に装着者をキャプチャして使用するため誤差は皆無。
フィールドセンシングデバイス:
空間認識装置ともされる。DFS転送空間を形成する際の空間計測をする。DICETが実現しなかったのはこの空間を限定させることが難しいという問題があるためで、戦場などで周囲を気にしなくても良い状況下では使用できても、街中などでは法的な問題も絡み、民間転用は見送られ御蔵入りとなる。
DICET:ディセット Dimensional Interface Clothes & Equipments Transmitter :
DIRECTから派生した技術で、民間転用を目指した技術の通称。機能を制限し、DIRECTと同等の転送方式を有する。
ディセットとは正式名称ではなく、研究者の間でダイレクトをもじった暫定的な呼び名。
ディセットの民間転用:
ディセットはダイレクト技術を民間転用し、衣服や持ち物を単方向にのみ転送できるようにした技術ではあったが、装着者の個々人における身体的整合性の問題も多く、事前の綿密な身体キャプチャが必要で、かつフォワードフィールド発生の条件が揃わなければ転送が難しく、危険が伴うため、限られた空間内や、徹底した管理状況下でなくては難しいとされ、実用化は見送られた。
現在は一部の歌手やアーティスト、舞台などのステージ衣装転送にしか使用されていない。
リニアカロンアクチュエーター:
イプシロン変換によって得られた新素材で構成された駆動装置で、従来のリニアアクチュエーターの伸縮、屈伸、旋回などといった動きをより精密かつ強力に再現できる次世代の機械動力である。このリニアカロンアクチュエーターの開発により、オーバードライブは実現し現在のサイズと重量に収めることが出来た。
RIE(ライエ):
兵士が身体に纏い、運動能力を強化するパワーアシスト装備。最も小型軽量のオーバードライブで、第五世代オーバードライブとして試験運用を兼ねて、米軍で使用されている。ハウンドドッグはこのRIEにDIRECTシステムを組み、運動性能を上げた物。
カーボロンメッシュ:
RIEに使用された革新的な工学材料。イプシロン変換による新素材から作り出された人工筋肉の一種で、忍者が身に付けるような鎖帷子の様な構造の布状の素材で、網目の収縮を利用した駆動素材である。この素材はシャツ一枚程の厚みで人体を動かす程度の動力を得ることが出来、重ねれば重ねるほど駆動力を倍加できるという特徴がある。人体に応用する場合、動きにほぼ制約がなく“着る筋肉”として軍事だけではなく、医療をはじめとする様々な分野への応用が期待されている。
D&Dの装備としてのDOG:ハウンドドッグ
RIEにDIRECT技術を実装したものが、D&DのDOGで、装着状態で約二・三メートル、重量も百三十キロにまで抑えており、専用のインターフェーススーツに、小型のネックピローのような馬蹄形のDIRECTドライバーをうなじに勘合させた状態で、転送装着する。
ちなみにこれを彼らは“ドッグ”をもじって『猟犬(ハウンドドッグ)』と呼称している。
MIL規格で、軍用RIEとの部品や装備の互換性がある。
主な武装はディストーション・ブレードとディレイ・ショットで、ディメンションラムジェットなどの飛行ユニットも試験運用されている。
ディストーション・ブレード (Dブレード):
D&D隊員の標準装備で、その形状は日本刀の形を模した、およそ一メートル弱の刃のついていない合金のブレードと柄で構成されており、GODSのDOSがビーム束を発振し斬撃武器および分解転送処理器として使うのに対し、ディストーション・ブレードはブレード表面に素粒子分解波を帯びさせて対DIC戦闘用の近接武器としている。
この構造の差は設計思想の違いで、攻撃力に大きな差をつける訳ではない。DBは表面的な光波でDOSと同じ用を足す為、省エネルギー化ができ、内蔵電源に出力を頼るDOSとは違い、鞘から刀身を引き抜く際に自発発火方式で起動される。
ただし、DOSが本体に仕込んだDFSで分解転送してしまうのに対し、DBはDICに打ち込み、分解行程するまでは同じだが、転送はせず、分解した素粒子をピックアップという柄に装填された弾丸状の回収素粒子緩衝材へと吸着させてDOSと同じ機能を得ている。
ただしピックアップは数回の打ち込みで消費するため、カートリッジが空になると逐次装填が必要であるというデメリットも持つ。
ディレイ・ショット (Dショット):
D&Dの中距離攻撃用の副武装。サブマシンガン形状の、特殊樹脂の実体弾に素粒子分解波を帯びさせてDICに撃ち込み、一時的なダメージを与える。DICの素粒子構造を瞬間的に崩す効果があるだけで、致傷的、致命的なダメージは与えられない。弾丸はゴムに似た性質で、
素粒子分解波を用いなければ人体などに対しての物理的な殺傷力はないため、しばしば暴動鎮圧などにも使用される。
GODSの装備としてのDOG 轟天シリーズ:『GOUTEN』『ゴウテン』
『赤鬼』や『不知火』をはじめとするGODS隊員が駆るDOGの基本性能は、ハウンドドッグと大きくは変わらないが、運用方法が少々特殊で、GODSの技術顧問として招聘された豊富博士が『轟天シリーズ』として独自に考案したシステムを搭載している。
ハウンドドッグもいずれも使っているのはカーボロンメッシュでその性能に差異はないが、ハウンドドッグがインタフェースインナーと装着型の転送器を使用しているのに対し、『ゴウテン』はDOSに内蔵された転送器だけで運用できる。
ゴウテンはなにわ工科大学の特殊工学研究所分室が設計から製造までを行った完全な規格外のオリジナルの機体であり、DIRECT転送システムを兼ねたDOSという光学剣を別体装備することで携行性と発展性をもたせている。
ゴウテンはその携行性ゆえに複数のセイフティが設けられており、装着者を固定する完全なオーダー・メイドで他人が使用することはほぼ不可能であり、それだけに身体への整合性は高く、スペックでは測れない性能を発揮するというのが開発者である豊富博士の持論である。
対するD&Dのハウンドドッグは、身体情報を媒介する専用のインナースーツさえ着れば誰でも装着が可能な汎用機体で、個人装備というよりも、部隊装備の側面が強い。
轟天不知火(ごうてんしらぬい)およびアウターシェル:
なにわ工科大学特殊工学研究所分室で開発された轟天シリーズの最新機で、加納恵専用のDOG。ゴウテンは構造的に身体側をインナードライブ、外殻装甲部分をアウターシェルと呼んでおり、このアウターシェルに機種名が付く。
誠一の「轟天赤鬼」樹菜子の「轟天蒼龍」柴島の「轟天大黒」吉川の「轟天金剛」の五機種が作られている。それぞれに身体をキャプチャーした独自のデザインで構成されているため、互換性を想定して開発されたとはいえ、実際は隊員間でアウターシェルの貸し借りはしない。
DOSの居合打ち:
DOSの柄を対象に振ると同時に、光波を発振させ、振り抜きの瞬間に止めるというだけのこと。素早くすれば光波そのものが見えないため、DOSを使ったことはおろか、目の前で腕を振っただけで突然対象が散ったようにしか見えない。柴島が多用する技で、恵もUSJ事件の際に目の前のゾンビを薙ぐために使用した。
古来の武術における居合とは関係がない。特に名称もないためこのような言い方をする。カマイタチなどと呼ぶこともある。
作戦行動の発令:
複数のアルファベットと数字で作戦行動を表し、これの発令と共に次元波動無線がオープンされ、DOG転送が可能となる。発令以後隊員はコード名で呼び合わなければならず、通常は発令者が現場の指揮権を握る。
メガドライブ:
オーバードライブギアの一部公開されているモーションドライブ技術を利用して、各地のロボットマニアが凌ぎを削って制作を競い合っている巨大ロボットの総称。
全高は5メートルから最大で15メートル、完全制御のコクピットを持ち、操縦者はコクピット内で四肢を駆使して巨大な筐体を操る。
その巨体は地球重力下では鈍重と言わざるを得ず、むざむざ砲弾の的になるような兵器は軍事利用には向かないとされ、巨大戦闘ロボットはこの世界では実現しなかった。また巨大になりすぎると慣性制御が難しくなり、これを怠ると操縦者はロボットが歩行するだけで圧死する。
現行の技術では10メートルが歩行限界質量と言われている。
蛇足ではあるが、後年にコクピット制御技術の革新が有り、メガドライブ同士で格闘戦を行うモータースポーツ競技が興される。
作者名
ジャンル・キーワード
ジャンル SF
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この作品のここがオススメ!
ひとつの異常事態、ひとつの非常識からすべてを巻き込み、やがては世界を変革してしまうことがある。その可能性を徹底的に書ききることを目的とした作品でもあります。
そのため社会構造や人物設定は緻密に書くように心がけています。
人物や用語を理解しながら読み進めるのは煩雑かとは思われますが、じっくり読みふけって想像を膨らませていただければと思います。
この作品は、次元転送社会と物質、精神、その他目に見えるもの全ての成り立ちを、なんとなく説得力のある理屈として考察し、どっぷりと妄想に肩まで浸かることを楽しむ作品です。
作中の名称及び略称は、基本的にフィクションに基づいた架空の存在です。もし似たような施設や同名の施設、店舗、地域その他がありましても、たまたまです。
一部、一般消費財として固有名詞にカテゴライズされるもの(車、バイクなどの名称)に於いては、作品の味としてそのまま使用しております(問題があれば訂正します)
&color(Red){現在連載中のため、話の進捗状況により当Wikiも更新しています。現況明かせない設定については、物語中で明らかになるにつれ随時書き換えを行っています。
煩雑かと思われますが何卒ご理解ください。};
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また、当小説家になろうWiki上においても作品の進捗と並行して更新してゆきます。
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