お抹茶セット五百円(お薄茶・和菓子・付喪神) のバックアップ(No.7)


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あらすじ Edit

『父の遺した茶道具は、付喪神になっていました』
茶道が原因で家族を亡くした茶道嫌いの大学生、若月千尋。
彼に遺された尾道の茶房・夜咄堂(よばなしどう)には、茶室と古い茶道具が備わっていた。
売却するつもりの夜咄堂で、茶道具の付喪神を名乗る少女らと出会った千尋は、
予定を変更し、夜咄堂を経営する事を決める……

千尋と付喪神、そして一服を所望する客達のおりなす、風流な茶道具擬人化物語。

主な登場人物 Edit

syuzin.png若月千尋(18歳)
夜咄堂の新たな主人
茶道が原因で家族を亡くした大学生。父の遺した夜咄堂を受け継ぐ。
自己を主張せず、また薄幸でもある為、その都度「まあ、ええことよ」と自分に言い聞かせる。
嫌いなだけあって、茶道は当然ど素人。
nuba.pngヌバタマ(115歳)
しっかり者の付喪神
尾形光琳作、水葵蒔絵螺鈿棗の『写し』の付喪神の少女。
しっかりしているが、付喪神になってからはまだ十五年で、年相応の一面も。
煌びやかな物や流行へのコンプレックスがある。
好物は東雲ドーナツ店の抹茶ドーナツ。
oribe.pngオリベ(244歳)
大笑い師匠
青織部沓形茶碗の付喪神。
何かにつけてよく笑い、ノリよく軽い性格。
だが茶道の事となれば、豊富な経験からくる高い見識を見せる。
千尋とヌバタマの師匠的存在。
128.pngロビン(???歳)
野良犬になった付喪神
尾道に居ついた柴系の雑種犬。その正体は犬の形を成した付喪神。
そうだと知らない町の人々からは野良犬として可愛がられている。
夜咄堂では暮らしておらず、JCにお腹を撫でて貰う為に野良犬となった。
no.png岡本知紗(20歳)
陶芸家を志す先輩
大学の陶芸サークルの先輩。千尋を強引にサークル勧誘する。
両親が陶芸家で、自身も子供の頃から土に触れて育ってきたが、
大学に入ってからは自身の作品に不調を感じている。
小柄な美人だが少々ガサツな面も。好きなものは煙草。

作中用語 Edit

■尾道
広島県南東部に位置する情緒ある都市。
岡山市と広島市の中間に位置する港町で、市街地は千光寺山に面している。
その為、海、山、街、寺、鉄道と、小さな区画に多くの風景が、箱庭のように詰め込まれている。
背油が特徴的な尾道ラーメンが名物。
■付喪神
長らく人間に用いられた道具に強い気が篭り、実体を持つようになった存在。
実体を持つまでにはおよそ百年を要する他、幾つかの条件があるらしい。
■夜咄堂
千光寺山の中腹に存在する二階建ての木造建築。
一階に洋風の喫茶スペースと、二階に茶室が備わった茶房として営業している。
千尋の父、宗一郎がこれまでの主だったが、更にその前の歴史は現在不明。
■織部焼
千利休の弟子である古田織部が、桃山時代に創始した焼き物。
現代でも独創的に捉えられる幾何学模様や、歪んだ形状が特徴的。
緑釉も特徴の一つだが、緑釉の掛かっていない黒織部も存在する。
その旋律的な姿態は、しばしば千利休の侘びと対比される。
■釉薬
陶器の絵の具。
植物の灰や鉱物を液体化させて精製し、描いたり浸したりして用いる。
使用する釉薬の方向性が、ある程度は地域毎に似通っている為、
俗に言う○○焼の産地を特定する要素でもある。
■唐津
佐賀県北西部に位置する港町。
古くは朝鮮の役で日本側の足掛かりになった土地として有名。
それから現代に続くまで、唐津焼の町として、有田焼と並ぶ佐賀県二大窯元として名を馳せる。
海に面した城、唐津城から望む日本海の姿は実に雄大。

作品挿絵 Edit

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ジャンル・キーワード Edit

【ジャンル】
その他

【キーワード】
概要 :現代 茶道 付喪神
舞台 :喫茶店 茶室 尾道
その他:茶道具 青春 和風 風流

作者名 Edit

加藤泰幸

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