古木卓也はいじめられっ子の中学生。彼はある日、クラスメート達と共に救世の勇者として異世界へと召喚される。そこで勇者達は様々な特殊能力に目覚めた。相手の心を読む能力、肉体を強化する能力等を仲間達が手に入れる中、卓也の能力は『たまに右手が疼く能力』という役に立たないものだった。その上ステータスも低く、無能の烙印を押される事となる。そんな古木卓也は、主人公ではない。
※各章のプロローグ及びエピローグは主に現実世界パートとなっております。※第二章以降のエピローグの後書きに、勇者達の動向を追加しました。※2016年3月29日 完結しました。
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神代聖騎達が飛ばされたのは、魔王軍によって人類の絶滅が危惧されている世界。山田龍や柳井蛇はこの世界を最近流行りのネット小説にありがちな世界に似ていると指摘した。後に聖騎は電脳世界ではないかという仮説を立てる。しかし、神代怜悧によるとその仮説は「30点」とのこと。 ネタバレ(ドラッグで読めます):元々、聖騎達が生まれた世界とは別に存在していた異世界。『世界群』と名付けられた、幾つも世界が集まる空間の中に存在する世界の一つ。電磁波による影響を受けやすい物質で世界全体が構成されており、著名な大学教授であった天原考司郎の研究の結果、コンピュータを使用したプログラムによって干渉が可能となった。 この世界以外にも似たような世界は存在したが、実験の失敗によって滅んだ。これには神代怜悧や近衛茉理なども関わっている。天原はこの世界を『コロニー・ワールド』と名付けた。天原らによって『コロニー・ワールド』は作り変えられ、あらゆる生物には『ステータス』が存在し、経験値をある程度得るとレベルが上がるという、ゲームのような世界になった。 『コロニー・ワールド』は、いずれ人口が増えすぎた際に人間を移住させることも考えられており、それこそが名前の由来である。
この世界には五つの大陸と、いくつかの島々が存在する。ここでは大陸について説明する。 ラートティア大陸 主に人族が棲む、この世界における最大の大陸で、通称『中央大陸』。北部はほとんど魔王軍に占領されているが、大陸中央部に位置するエルフリード王国の奮闘により、以南は何とか守られている。魔王軍という脅威が存在するにも拘らず、諸国は依然として小競り合いを繰り返しており、魔王ヴァーグリッドからも呆れられている。南部の大国『ラフトティヴ帝国』は巨人族を奴隷にしているなどという噂が立つほどの強国であるが、北の大陸とは遠い場所に位置していることもあり、魔王軍との戦いには手を貸さない。東部の国『リノルーヴァ帝国』は獣人族を奴隷として捕まえては売る事で栄えている。西の国『ネクベト王国』では妖精族との交流はされていたが、妖精族の人族召喚以降、『契約』の為に人族を利用しようとしている妖精族の手によって支配されている。 ヘカティア大陸 主に魔族、そして魔物が棲む大陸で、通称『北の大陸』。ここに棲む全ての生物はヴァーグリッドを崇めており、忠誠を誓っている。中心部にはヴァーグリッドが住まう巨大な城『ヴァーグリッド城』があり、何枚もの堅牢な城壁と、恐ろしい魔物によって守られている。 シュヌティア大陸 主に妖精族が棲む大陸で、通称『西の大陸』。この世界における最小の大陸だが、火山地帯や森林地帯、砂漠地帯など、場所によってまったく違う景色を見る事が出来る。妖精族には個体名や土地に名前を付ける習性は無い。 エルティア大陸 主に獣人族、獣族が棲む大陸で、通称『東の大陸』。リノルーヴァ帝国をはじめとした多くの国によって獣人や獣が捕えられ、奴隷にされている。元々自然豊かな大陸であったが、人族が拠点をいくつも作る際に自然が破壊され、それによって絶滅した種族も少なくない。現在では多くの獣人族が怯えて暮らしている。 バルゴルティア大陸 主に巨人族が棲む大陸で、通称『南の大陸』。古来、巨人族は人族の脅威として君臨してきたが、『最初の魔術師』とも呼ばれる後のラフトティヴ帝国初代皇帝・ヴェルダルテ・ラフトティヴの活躍により巨人族と戦う術が見いだされ、今では立場が逆転している。
この世界において国家を築いているのは人族だけである。 エルフリード王国 聖騎達を召喚した国。ラートティア大陸の中央に位置する大国。魔術のレベルが高い。この世界では珍しく奴隷制度を禁じていて、治安も良い。ヘカティア大陸に通じる地下洞窟がある。 ラフトティヴ帝国 ラートティア大陸の南半分を占める、大陸最大の国。国民は英雄ヴェルダルテを信仰している。工業が盛んで、神力受球の製造方法を独占し、神御使杖を輸出することにより富を得ている。巨人の奴隷が国の至る所で見られる。 リノルーヴァ帝国 ラートティア大陸西部にある大国。エルティア大陸に近い事もあり、獣人奴隷の売買が盛ん。面貫善らによる獣人奴隷の解放と、獣人らによる皇族虐殺により国が崩壊。その後は各地の貴族が皇帝になろうと、群雄割拠の戦争が始まった。 ディルーマ帝国 ラートティア大陸北部にあった大国。かつては魔族との戦争における最前線として物資や兵が送られていたが、近年では落ち目にあり、聖騎達が異世界召喚された頃には滅ぼされ、皇族も一人の姫を除いて全滅させられた。現在では魔族の支配下にある。 ノルニトル王国 エルフリード王国の西隣の国。魔族の支配下にある。 ハヌマニル王国 国王ウェミナハル・ハヌマニルを神の化身として扱う宗教国家。人族絶対主義を掲げており、人族以外の種族は国民によって見つかり次第殺される。 ネクベト王国 ハヌマニル王国の西隣にある、ラートティア大陸西端の国。国内では妖精族が飛ぶ姿がよく見られる。 ロヴルード帝国 リノルーヴァ帝国を統一したメルン・アレイン・ロヴルードにより国号が変更された。国際連合が設置され、世界中の国に同盟を締結する事を呼びかける。
読み方は「しりつてんしんがくえん」。決して「テンプレがくえん」ではない。 東京都某所にある中高一貫校であり、創立されてから10年程度でありながら国内有数の進学校としてその名を轟かせている。神代聖騎達もこの学園の中等部に在籍している。創設者は振旗誠一郎。工学関係に力を入れており、中等部の時点でプログラミングの授業がある。他にも、幅広い人材を育てており、その教育水準は高い。それ故に、入学後落ちこぼれた生徒が不良となることも少なくない。特に寮から通う者は成績が落ちる傾向が有る。 ネタバレ(ドラッグで読めます):その実態は、コロニー・ワールド計画を実行するための研究機関。元々森林地帯だったこの土地に、後に『繋世ゲート』と名付けられる、世界の外へと繋がる穴を発見した振旗が、天原と協力して研究するためのカモフラージュとしてこの学園が創設された。なお、振旗は実験時の事故により死去している。 この学園の教師は全員コロニー・ワールド計画の研究員であるが、例外として神代怜悧は教育に関わることなく研究に没頭しており、近衛茉莉は神代聖騎の母親代わりをしていた。
一部の人族のみが引き起こす事が出来る特殊な現象。炎、水、風、土、金、木、氷、雷、光、闇、無の11の属性が存在する。 発動には『神力受球(プロヴィデンスフィア)』と呼ばれる石を先端に埋め込んだ『神御使杖(エンジェルワンド)』という杖と、呪文の詠唱が必要とされる。なお、聖騎達勇者36人は全員、いずれかの属性の魔術が使用可能。 類似するものとして魔法が存在する。魔族、及び妖精族は生まれながらに使用可能。 各属性についての説明 魔術は少ない魔力において攻撃魔術は、相手にどれだけ大きなダメージを与えられるかを示す攻撃力、どれだけ広い範囲における相手を攻撃できるかを示す攻撃範囲、呪文詠唱後からどれだけの速さで攻撃を対象に届かせられるかを示すスピードといった3つの観点よって評価される。また、自分や味方の体力を回復させる、防御に使うなど、攻撃以外にも使用可能。 炎属性:攻撃範囲が広く、攻撃力が高い。攻撃以外には使いにくい。 水属性:攻撃力は低いが、回復を得意とする。攻撃範囲も広い。 風属性:攻撃力、スピード、攻撃範囲がバランスよく高い。 土属性:スピードは遅いが攻撃力はそこそこ。防御としての有用性は高い。 金属製:スピードは土属性以下だが、防御用としての使い勝手は全属性トップ。 木属性:攻撃力はまあまあ。様々な植物を生み出すことができるため、幅広い使い方が可能。 氷属性:スピード及び攻撃範囲は低い。しかし攻撃力は高く、相手を攻撃した際に氷漬けにして行動不能にさせることが期待できる。 雷属性:スピードと攻撃力がかなり高い。 光属性:スピードは全属性中トップ。防御、回復、能力付与なども可能であるが、攻撃力は全属性最低。器用貧乏な属性。 闇属性:攻撃力は全属性最高。しかし、攻撃以外の用途に使うには心許ない。 無属性:利点も欠点も無い。 呪文 この世界の人族にとって魔術とは「神から力を借りて起こす事が出来る不可思議な現象」だと考えられている。 呪文は「何の属性の神から力を借りるか」「力はどれだけ借りるか」「借りた力をいくつに分けるか」「借りた力をどのような形にするか」「それをどのように動かすか」によって構成される。 例えば、「リート・ゴド・レシー・テーヌ・ト・ワヌ・ラヌース・ストラ」という呪文は直訳すると「光の神から借りた10の力を1本の槍として直線状に飛ばす」、意訳すると「光属性魔術を使うための魔力を10消費して1本の槍を作り、まっすぐ飛ばす」となる。 呪文に使われる単語は『古代語』と呼ばれており、この世界において過去に使われていた言語だと言われているが、勇者全員が持つスキル『異世界言語理解』を持ってしても訳する事が出来ない。 古代語の一部を以下に示す。 フィア=炎 クーア=水 ウィン=風 ソルン=土 タルン=金 ツーリ=木 イース=氷 サーダ=雷 リート=光 クダン=闇 ノマー=無 ゴド=神 レシー=借りる ワヌ=1 トゥ=2 スリン=3 フォ=4 ファイ=5 シク=6 シーヴ=7 エイグ=8 ニネ=9 テーヌ=10 ハンドレ=100 サザン=1000
人が持つ魔力を変換させる効果を持つ石。その製造方法はラフトティヴ帝国に独占されている。(製造方法※グロ注意:生きたままの妖精族が持つ、空気中の物質を魔法に変換する器官を取り出し、特殊な方法で熱する事で製造可能。過去のラフトティヴ人が妖精族を乱獲したことにより、妖精族と人族との間に不和が生まれた。)11種類の属性に対応するものが存在し、例えば炎属性の魔術師ならば炎属性の神力受球しか使えない。また、性能ごとに分けられた九つの階級が存在しており、階級の数値が小さいほど希少で、加工も困難である。 第一階級(セラフクラス):最も希少で、世界でも目撃例が未だ存在しない。ただし何故か、階級だけは存在する。 第二階級(ケルブクラス):世界での目撃例はシュレイナー・ラフトティヴが所持する1件のみである。 第三階級(ソロネクラス):ラフトティヴ帝国の裏市場で高値で取引されているもので、一般人が手に入れられるものの中では最高級。ラフトティヴの皇族に仕える者に、主に使われている。 第四階級(ドミニオンクラス):表市場に出回っているものの中では最高級で、リノルーヴァ帝国の皇族やエルフリード王国の王族など、大国の権力者に使われている。ラフトティヴ帝国内では将軍の中でも実力のある者に使われる。 第五階級(ヴァーチャークラス):大国の実力者に使われる。 第六階級(パワークラス):ラフトティヴ帝国の一般兵士に使われる。その他大国では将軍クラスで使われる。 第七階級(プリンシパリティクラス):大量生産されているものの中では最高級。聖騎達勇者に支給された物もこれである。 第八階級(アークエンジェルクラス):二番目に希少度は低く、小国の名の知れた魔術師、あるいは大国の一般兵に使われている。 第九階級(エンジェルクラス):最も一般的なもので、国の一般兵に支給される。
魔術の適性を持つ人間が魔術を使うのに必要な道具で、杖魔力を通す特性を持つ金属による柄を付ける事で創られたものが一般的。理論上は神力受球を持つだけでも魔術は使えるが、直径10センチから20センチのものが一般的なそれを持って戦闘するのは非合理的なので、柄が付けられた。ラフトティヴ帝国では杖の形のみならず、剣や槍などの形のものも存在する。なお、神力受球とは違い、製造方法は他国にも広まっている。
イマギニス 神代聖騎がローリュート・ディナインにオーダーメイドで作って貰った、大鎌のような形状の神御使杖。およそ1メートルの長さの柄と希少金属『キレンライト』によって創られた刃部分の接合部に第三階級光属性神力受球を埋め込んでいる。格闘戦闘が苦手な聖騎が使う事を想定して、武器として使うには扱い辛いが、視覚的に相手に恐怖を抱かせる大鎌の形で作られた。別名、命刈魔鎌。 名前の由来はこの世界の言語で『死神』を表す単語から。メタ的には死神→SINIGAMI→逆にしてIMAGINIS→イマギニス。 オーブリュー キャリバレクス
正式名称は『対巨人用魔動人型兵器ヴェルダリオン』。その名の通り、巨人族と対等に格闘戦を行う事を目的として開発された、およそ5メートルほどの巨大兵器。名前の由来はラフトティヴ帝国の英雄ヴェルダルテから。初代開発者はハイト・ノキトスで、彼の子孫が代々製造・開発に携わっている。ノキトス家の血を継ぐ者にのみ使用可能なスキル『異空接続』によってコックピットを異空間に接続。搭乗者が異空間で体を動かすと、同じように動く。目、耳等の感覚器官も登場者に共有され、ヴェルダリオンが見た景色を搭乗者が見る事が出来る。よって搭乗者たちにとっては『ヴェルダリオンに乗る』というよりは『ヴェルダリオンに変身する』という感覚である。動力部には神力受球を幾つも使用する。 搭乗する資格があるのは魔術師のみであり、適性のある属性の神力受球を使用した機体を操る事が出来る。専用の武器として巨大な剣や槍を操り、それらが生み出す破壊力は巨人を圧倒する。また、動力として使っている魔術エネルギーを攻撃に使う事も可能。だが、搭乗者の魔力が尽きれば自動的に全機能を停止して搭乗者は強制排除されるため注意が必要。また、倒した巨人や鉱物を持ち運ぶためのバックパックが背中に備えられている。コックピットへは両掌から入る事が出来、怪我人の回収などにも使用可能。 問題点として、人体に存在しないパーツ(翼など)を組み込む事が出来ない、機体と感覚を共有している為、ダメージが搭乗者に直接及ぼされる等というものがある。 フィアドルーグ クーアウィヴァン サーダペガース ウィンセレン イースフィンク ソルンエクドス タルンメディシア ツーリユニケル リートフェリル クダンバジース ノマーフェニュー ラフトティヴ帝国で扱われているヴェルダリオンで、各属性毎に操縦可能な機体が決まっている。技術が進むにつれ、機体は強化されている。 フィアドルーグ・ゼータ 国見咲哉が搭乗していたフィアドルーグをカスタマイズした機体。 サーダペガース・オメガ 西崎夏威斗が搭乗していたサーダペガースをカスタマイズした機体。 イースフィンク・シグマ 桐岡鈴が搭乗していたイースフィンクをカスタマイズした機体。 アリアミーク・スティグマ フィアドルーグ・ゼータ、サーダペガース・オメガ、イースフィンク・シグマの三機が合体した最終兵器。瞬間的に強大な魔力変換を可能とするが燃費が悪く、機動可能時間は5分ほど。
佐藤翔が開発した、簡易版のヴェルダリオン。ヴェルダリオンが搭乗者として登録された者にしか動かせないのに対して、属性さえ対応していれば誰でも動かせる特徴を持つ。
正式名称は『大規模破壊用航空魔動人型兵器パラディオン』、縮めて『破空魔兵パラディオン』。現在、試作機のリートディズのみか製造されている。異空間への干渉、飛行機能、魔粒子の貯蓄など、これまでの魔動人型兵器には見られなかった機能が幾つも存在する、 リートディズ 飛行用バックパック『ノガード・グニゥ』、巨鎌『ヘル・イマギニス』、空気中の魔粒子を回収するローブ『ライヒハートの神御衣』、そして制御装置としてアジュニンが搭載されている。 『大規模破壊用』と銘打たれているが、『ライヒハートの神御衣』によって集めた大量の魔粒子を、連結した巨船フリングホルニに貯め込み、限界まで貯蓄した魔粒子を一気に放出する事で広範囲、高威力の魔導攻撃が可能。 見た目は死神をイメージして設計されており、顔は白塗りに笑顔が描かれ、普段は機体全体を神御衣で覆っている。神御衣の中には背中に翼を持つ、堕天使の姿を隠している。
勇者側から離反した高橋梗が持ち込んだヴェルダオンを基に魔王軍が開発した魔動人型兵器。本来は魔族の乗機として開発予定であったが現在の技術では魔族によって動かす事は実現できず、人族である舞島水姫、高橋梗、黒桐剣人、数原椿、土屋彩香に機体が与えられた。
ドゥリタラーシュトラ彩香の機体。刀を一本装備している。ヴィルーパークシャ剣人の機体。刀を二本装備している。ヴァイシュラヴァナ椿の機体。槍を装備している。ヴィルーダカ梗の機体。剣を装備している。インドラ水姫の機体。苦無を装備している。
八房 冥(ヤツフサ メイ)
ジャンル ハイファンタジー〔ファンタジー〕キーワード R15 残酷な描写あり 異世界転移 テンプレ チート主人公 クラス転移 異世界 中二 厨二 精神攻撃は基本 アンチヒーロー 外道 悪役 SF
よくあるクラス転移ものにSF的な要素を盛り込んだところ
小説家になろう
元データの書式(インラインプラグイン)を継承する
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