[魔族世界]
-魔王軍-
・魔王人形愛好家の中年親父。通称『魔王ドール・マスター』。過去には伯爵とも名乗っていた。サブカルチャーに傾倒しておりそれ以外のことには基本的にあまりやる気がない。偶然人間の勇者を倒したため魔王に祀り上げられる事になるが……?「この世界には、そんな風になってほしくないなあ」
・ラミア代々の魔王の側近にして魔王軍四天王筆頭。戦略・戦術面での戦争狂い。御歳5億7千ちょっと。歳の割には見た目は若い。意外と興味のないことにはだらしがない。実にしぶとい。「なんならプールで酒池肉林をなさっても構いません!!いいえむしろ私は推奨いたしますわ!! なさいませ!!」
・黒竜翁全ての竜を統べる黒竜族の長老にして魔王軍四天王の二位。黒竜姫を除く全ての竜族の中で最強を誇るが、非常に好色で性格も悪い為、多くの者から忌み嫌われている。代々の吸血王と対立しており今代ともライバル関係。「馬鹿め、美しい花を、自分の手で汚すのが良いのではないか。汚れた花も愛でられん奴が女を語るな」
・吸血王全ての吸血族・ゾンビ・グールを統べる王にして魔王軍四天王の三位。非常に怠惰で気まぐれ、そして気障だが、娘には甘い一面も。代々対立を続けている黒竜翁とは険悪な関係。「面倒くさいな。わざわざほこりにまみれた戦場に出るなど、全く、何故私がこのような――」
・悪魔王全ての悪魔族を統べる大悪魔族の王にして魔王軍四天王の末席。非常に巨大な体躯と、頭部に被ったヤギ頭のマスクが特徴的で、「いかにも」なツワモノ臭を漂わせるが実は小心者である。魔王軍においては諜報・魔族世界の治安などを一括して請け負っている。反抗期の娘には何かと苦労させられている模様。「今では娘は髪を染め、男のような格好をして、口調まで男のそれを真似るようになってしまったのです……もう、私は父親として、一体どうすればいいのか」
・黒竜姫乱暴・短気・口が悪いなどで他の種族から大層嫌われている黒竜族の姫君。黒髪水色眼の絶世の美女だがやはり口が悪く暴力的でがさつ。でもすごく強い。ある事をきっかけに魔王に惹かれるが……?「ああもうっ!! 私はこんなに陛下とお会いしたいのにっ!!」
・赤いとんがり帽子のウィッチラミアの副官を務める優秀な女性魔族。小柄だが金髪碧眼で容姿美麗である。また極度の潔癖症。強きに従い弱きを見下す魔族として実に正しい精神の持ち主である。種族のしきたりとして特定の名前が無い。「ラミア様ラミア様。愚か者の処刑は終わりましたわ」
-楽園の塔-
・エリザベーチェ・リスカレス黒竜族に対抗して妾候補にと出された吸血族の姫君。通称エルゼ。銀髪碧眼の美少女だが実際には赤子のようなもの。でもすごく強い。性格的にも幼くとても素直。そしてサブカルチャー好きという異端。「それが一番だと思います。私も楽しいです。平和で、漫画とかが一杯ある世界が一番好きです」
・セシリア魔王軍に寝返ったエルフ族の王女。「楽園の塔」に住まう妾候補の娘達の中ではリーダーのようなもので、とても高い調整能力を持つ。身体能力が高く意外とおてんばだが、外見が幼いのを気にしている。「エルフの娘は、こういうお祭の時にはパイを焼くのです」
・グロリア魔王軍に寝返ったハイエルフ族の王女。セシリアと共に楽園の塔のまとめ役のような立ち位置にあり、とても高い調和能力を持つ。上級魔族顔負けの絶大な魔力と魔法知識を持ち、黒竜姫並のスタイルと美貌、更には性格もおっとりとしていて同性にもウケが良いのだが、ハイエルフ独特の『病気』が全てを台無しにしている。塔の中ではエルゼとは特に仲良し。「陛下、精霊は万物に宿り、至る所に存在しますわ、ほら、陛下の後ろにも……」
・エクシリア魔王軍に寝返ったダークエルフ族の王女。セシリアと共に楽園の塔のまとめ役のような立ち位置にあり、とても高い戦闘能力を持つ。塔の娘達の中でも武器の扱いに秀でているのだが、本人は人見知りが激しく話すのもあまり得意ではない。「楽しい……ですもんね? この場所が。ここが、好きなんです」
-魔王の人形たち-
・アリス魔王の愛する自動人形。その一体。他のすべての人形達のリーダーで、よく指揮を執っている。普段は侍女のように振る舞い、魔王をよく補佐している。強い。「くす……旦那様が私を選んでくれて嬉しいですわ」
・エリーセル魔王の愛する自動人形。アリスとは同系統の「アリス型ドール」であり、容姿も多少変更点があるものの基本的な部分は似通っている。普段は冷静沈着だが、熱くなり易く失敗する事も……?「アリス様。残念ですわ。貴方は私達のリーダーでしたのに。何故、貴方だけ、旦那様の意に反した心を持ってしまったのか」
・ノアール魔王の愛する自動人形。エリーセル同様「アリス型ドール」の為容姿はアリスやエリーセルに似ている。普段は飄々として軽薄な印象を受けるが、激すると豹変し感情的になる事も。「私は、旦那様の……旦那様の人形ですわ。た、例え壊されたって、私は、旦那様の指示のまま、命じるままに動いて見せなければ――私達の存在が嘘になってしまいます!!」
-その他-
・アルツアルムド家出同然に図書館に居たところを魔王にスカウトされた悪魔王の娘。通称アルル。魔族世界では希少な政治的な判断力を持つ為、魔王に重宝されている。「なんで笑うんですか……もう、泣いたり笑ったり変な人ですね、陛下って」
[人間世界]
-中央諸国連合-
・勇者エリーシャ人類の新たな希望と言われている大帝国アップルランドの女勇者。とても美しい亜麻色の長い髪がトレードマーク。剣だけでなく魔法も得意。更には軍団の指揮も執れる万能型の勇者で皇帝や将軍からの信頼も厚い。ドール・アンティーク趣味で人形関係の事になると性格が変わる。「勇者は戦死するためにいるようなものだもの。続けている以上はいつ死んでもおかしくないのよ」
・皇帝シブースト大帝国の皇帝。髭の中年親父で最近太り気味。対魔族戦争においては中央諸国をまとめる大盟主。豪胆な性格で自身も若かりし頃は豪剣使いとして二振りの宝剣を手に戦場にて剣を振るっていた。エリーシャを側近として眼をかけており、常々心配している。「頼んだぞ勇者エリーシャ。お前だけが頼りだ」
・タルト皇女大帝国の皇女。チョコレート色の髪を持つ中央有数の美姫。通称トルテ。人見知りが激しく、姉と慕うエリーシャ以外とはあまり話したがらない。民衆視点では非常に人気のある国民のアイドル的存在であり、国民の精神的支柱としてはシフォン以上に大きな役割を担っている。「私が姉様と言ったら、それはエリーシャ姉様の事です。もう何ヶ月も顔を見てません」
・シフォン皇子大帝国の皇子でタルトの兄。栗色髪の美男子で、城内外に憧れる若い娘も多い。父シブーストが豪放なのに対し、緻密な計画による細やかな采配が得意。普段はシブーストの補佐として、国内をまとめる大臣と並んで政務の一部を取り仕切ってもいる。幼少の頃は幼馴染のエリーシャに恋していたが、今ではもう一人の幼馴染で自分の筆頭侍女であるヘーゼルと婚約している。「魔王がこのように人間的な容姿をしていたとは、想像だにしていなかった」
・ヘーゼル大帝国の有力貴族『ジュレ伯』アスピックの長女。シフォンとは生まれた時から一緒に育ってきた幼馴染。そして専属の筆頭侍女であり、将来を誓った婚約者でもある。容姿端麗で城内で群を抜いたスタイルのよさを誇っており、穏やかな性格をしていて、とても気が回り、深くシフォンの事を愛しているのだが、トルテにはとことんまで嫌われているのと、シフォンの気が今でもエリーシャに傾いている事が悩みの種。「そう言っていただけて嬉しいですわ。えぇ、エリーシャ様、私達はきっといい関係で居られますわ」
・勇者リットル魔法大国として知られるショコラ魔法国の勇者。豪放な性格の上ウォーハンマーを振り回す巨漢だが、魔法大国の勇者だけあって数々の強力な魔法を使いこなす。「いいや、惚れる所まではいかんね。俺だってショコラじゃ名うてのプレイボーイで通ってたんだ。そりゃ確かに危なかったが、ぎりぎり惚れてはいないね」
・王女ミーシャショコラの第三王女で、中央有数の美姫。あまり外見面で褒められる事の少ないショコラ王家としては唯一と言っていい美形の姫君の為、国民人気はとても高い。性格はとても王族とは思えないいたって普通の年頃の娘であり、肝も据わっている。何をこなしても人並にまで上達するのが早い反面、どれだけ努力しても人並以上にはなれない事に悩んでいる。それら全て踏まえ、外見ですら到底叶わないと自覚しているタルト皇女には強いコンプレックスを抱く。かつては魔法の師としてリットルに師事していた。「なんで私が魔王城なんかに連れて行かれなきゃいけないのよぉぉっ!!!」
・ギド将軍賢者の国と言われるグレープ王国を代表する老将軍。中央諸国連合においては若くしてその指揮を執るエリーシャの補佐をしていた。戦場においては魔族相手に蹂躙されるばかりだった連合軍が、エリーシャの台頭によって互角以上に渡り合えるようになったのもあり、他の将軍同様、エリーシャのことをアイドルのように熱狂的に信奉している。「無論、勝機もなしに挑むようなことはせんよ。ワシはこう見えて臆病者じゃからのう」
-北部諸国連合-
・教主カルバーン北部諸国内にて興った新興宗教組織『聖竜の揺り籠』の教主。人間世界においては革新的な新技術や魔法などを開発している。金髪水色眼の若い女性で、誰かに似ているが……?「養父さんはここでどっしり構えててくれないと。普通に外交をするのに養父さんに乗っていったら、威圧してると思われそうですしね」
・聖竜エレイソン『聖竜の揺り籠』の象徴とも言える巨大な金竜。カルバーンとは義理の親子のような関係を築いており、父親として振舞う。『よく思い出せないな。ああ、もう忘れてしまった。夢なんて、儚いものだな……』
-西部諸国連合-
・ババリア国王西部諸国内にて勢力を強める新興国『ラムクーヘン王国』の国王。商人を自認し、様々な国との貿易や交渉によって国を豊かにしている。かつては大国ガトークーヘンの領主であったが、独立し自らの領土を以って国と成した。新しいモノ好きで先を読む力に長けているが、息子には悩まされている模様。「ならば武器商人よ。余に武器を売れ。余は、この世界でもっとも上手く、貴様らの『品』を広めてくれようぞ」
・サバラン王子ラムクーヘンの王子。世界中の姫君や貴族の子女が熱を上げるほどの美男子で、とても賢い。政治だけでなく魔法に関しての造詣も深く、遣い手としても優れている。幼い頃、タルト皇女に一目惚れしてしまい、以来片時も忘れる事無く想い続けている。「皇帝陛下。私はタルト殿の事をずっと昔から……アプリコットのお城でのパーティーで初めて目にしたその日から愛しているのです。どうか、私にもう一度チャンスを下さい!!」
-南部諸国連合-
・グレメア大司教南部の教会組織の大司教。かなりの高齢だがかくしゃくとしている。教会内部の派閥『良識派』のリーダー。組織内の腐敗・汚職を憂慮している。「人々の支えとなる為に、教会はあったはずなんだがのう」
・エレナ司教教会組織の司教で、良識派。グレメア大司教の側近であり、孫娘でもある。理想に燃える優秀な聖者ではあるが、潔癖な面が強く、世俗派の者達には厳しい視線も向ける。「闘いましょう。信仰の為、後の世の為、真に女神を愛する信徒の為に」
・ナイトリーダー・バルバロッサ教会組織の擁する武装集団『テンプルイツ』のナイトリーダー。グレメア大司教の懐刀で、各地の情報を集めているようだが……?「無論、殿は私と直衛部隊が務める。諸君らは気にせず、撤退の為の段取りを話し合ってもらいたい」
・デフ大司教教会組織の大司教。既に壮年と言える年齢だが世俗的で欲望に忠実。教会内部の派閥『世俗派』のリーダー。グレメアらの良識派とは対立している。「猊下、人を救う事など誰にでも出来るのです。手が汚れていようと、過去にどのような罪を犯そうと。その時その瞬間に『救おう』と思えば、誰であってもそれはできるはずです」
・聖女ロザリー教会組織の聖女で、世俗派。デフ大司教の懐刀。表向きは『エルフィルシア聖女隊』のリーダーだが、戦時には諸島部制圧部隊『レコンキスタ・ドール』のリーダーとして獅子奮迅の戦いを見せる。「ふふん。可愛い勇者さん。『次』があったらきちんとここを狙うんですのよ? 脚なんて狙ったって、私たちにはヒーリングがあるのですから!」
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