・Dr.Kの鼓動
作者:パワプロ58号。高校野球が舞台のフィクション小説。高校名や、地区名、登場人物やチーム名、などは一部架空のものが存在している。
・あらすじ
毎年、夏を沸かせる高校球児たち。ここ、黒光高校はこの夏、県大会を制し、甲子園の土を踏んだ。
優れた才能、派手なプレイスタイルを持つ三年生を周囲は黄金世代と呼んだ。そして、彼らの影に隠れながらも、高い実力を持った二年生を白銀世代と呼んだ。
そして、一年生のことを、周囲は「暗黒世代」と呼んだ。
黒光高校一年生古堂黎樹、左腕のピッチャーである。彼は、黄金世代、白銀世代に憧れて野球部に入部した。
目指すは甲子園。目標は――彼らが立ったあの舞台に立つこと。
・章紹介
・0章「プロローグ」
(開始:第1話「暗黒世代」)
今夏、甲子園出場を果たした黒光高校――1年生ピッチャー古堂黎樹! 特徴は肩が強い! 練習に愚直! そしてバカ!
そんな彼もまた、この黒光高校で、再び甲子園を目指す!!
・1章「秋大会」
(開始:第8話「夏合宿」)
秋江工業との練習試合で結果を出し、見事ベンチ入りを果たした古堂。しかし、この夏甲子園に出場したクロ高にとって、夏秋の県内連覇を阻む壁は、非常に大きかった――
・2章「秋大会決勝トーナメント」
(開始:第33話「8強」)
鶴高校を破り、ベスト8に進出するクロ高ナイン。しかし、8強に残る高校はどこもいわゆる強豪校――もちろん目指すは県大会優勝! 新田、伊東、鷹戸、そして古堂の4投手を引き下げ、クロ高は戦う!
・3章「北信越大会」
(開始:第71話「変革」)
県大会は、鉄日高校に惜しくも敗れ、準優勝となるクロ高。しかし、彼らにはすぐ――北信越大会が待っている。
敗北を踏まえ、さらに高みを目指せクロ高ナイン!!
・4章「春の全国高校野球選抜大会」
(開始:第90話「神宮大会」)
北信越大会は2回戦負けを喫したクロ高。その試合を制した清龍高校や、県内のライバル鉄日高校は、センバツ出場を果たしていた――
また、センバツには多くの強豪校も出場しており――
・5章「春大会」
(開始:第101話「Restart」)
黄金世代の先輩たちの卒業――と共に、センバツでは暗黒世代がまさかの大活躍。知多鉄也の大見栄切った啖呵もあり、燃える古堂。
新年度の始まり、新学期の始まり、そして始まる春大会――夏に向けての前哨戦として、気は抜けない!!
・6章「GW」
(開始:第121話「ルーキー」)
春大会はベスト8に終わったクロ高。しかし、そんなことでは立ち止まれない。GWに向けて数多くの練習試合を組んだ絹田監督――そこにはなんと、見知った名前の高校が……
・7章「県予選」
(開始:第158話「U-18」)
GWの合宿も終え、ついに夏の県予選を迎えるクロ高。しかし、エース新田の故障や、鷹戸の不調なども重なり、チームは不安を抱えることに。さらには3年生の田中と山口までもが衝突していて――
・8章「県予選準々決勝~」
(開始:第175話「8強出揃う」)
昂大高校を破り、見事ベスト8まで残ったクロ高。甲子園まであと三勝!
しかし、ベスト8、いきなりの相手は、春大会に苦渋を飲まされた初巾高校だった――
・9章「白銀世代最後の夏」
(開始:第222話「大阪府代表」)
決勝戦、見事接戦の末鉄日高校を下し、甲子園出場を決めるクロ高ナイン。目標であった甲子園出場――そして悲願である甲子園優勝を目指し、白銀世代にとって最後の夏
が始まろうとしていた!
・登場人物
・黒光高校(こくこう)
福井県の私立高校。通称クロ高。普通科が3つに分かれており、特進クラス、進学クラス、就職クラスの3つがある。自由な校風が特徴で、制服は真っ黒のブレザー。夏服のカッターシャツも学校指定の黒色。野球部と卓球部をはじめ、ハンドボール、ホッケー、バスケットボール、サッカー部が県内でも強豪であり、運動部が盛ん。野球部に至っては、鉄日、初巾、福富に並ぶ強豪とされ、黄金世代が3年生の年には夏の甲子園出場を果たしている。
毎年3人、県内から推薦枠を取っているが、県外からは推薦枠を取っていない。
・古堂黎樹(こどう れいき)
身長170cm 体重63kg
黒光高校1年生→2年生(5章以降)
左投左打の投手。本作の主人公。肩肘の強さと柔らかさは一級品のクロ高の抑え。新田に教えてもらったシュートと、抜け玉から編み出したスローカーブが武器。特にスローカーブは曲がり始めが異様に早い”サウスポースローカーブ”という初見殺しと魔球となった。
練習大好きなバカ。そのためか成長速度も異常。
三振を取ることにこだわりが強く、チームを盛り上げるチングが得意。
・球速 138km/h ・コントロール B ・スタミナ A
・鷹戸遥斗(たかこ はると)
身長180cm 体重74kg
黒光高校1年生→2年生
右投右打の剛腕投手。暗黒世代の中では最速クラスのストレートと、上下に浮き沈むジャイロボールを投げ分ける速球派。球威は抜群だが、少しコントロールが悪く、ムラのあるピッチングが弱点。バッティングのセンスは抜群。
目つきが悪く、常に前をにらみつけている。寡黙だが、野球への熱意は並々ならないものがある。
・球速 147km/h ・コントロール D ・スタミナ A
・大滝真司(おおたき しんじ)
身長176cm 体重72kg
右投右打の三塁手。チームの4番を担う。長打力とパワーは暗黒世代の中ではトップクラス。黄金世代の大滝進一の弟。技術に乏しい部分があり、打ち分けや変化球への対応などは苦手。
見た目はさわやか少年だが、頭の中は野球のことばかり。4番としての自覚や、兄と比べられることなどにとても悩んでいる。
・金条春利(きんじょう はるとし)
身長175cm 体重63kg
右投右打の捕手。正捕手として、慎重で緻密なリードが持ち味の頭脳派キャッチャー。時にトリッキーなリードをする。速球のキャッチングが得意だが、変化球のキャッチングはそれに比べると苦手。肩は弱い。
ストレートヘアを伸ばして眼鏡をかけている知的な見た目をしている。真面目で実直な常識人。責任感も強いがゆえに、いろいろと悩みも多い。
・伊奈聖也(いな せいや)
身長180cm 体重75kg
右投右打の一塁手。器用なバッティングと軽快な守備が得意。大きくていかつい見た目の割に技巧派で流し打ちや変化球への対応が得意。パワーはそこそこ。打撃成績にはムラる。ファーストのスタメン。
イケメンで人当りはいいため、野球部以外の友だちも多い。小豆とは同じ中学出身で仲が良い。
・小豆空也(あずき くうや)
身長170cm 体重60kg
右投右打の投手。サイドスローでストライクゾーンに変化球を入れるのが得意な軟投派。持ち球はスライダー、カーブ、サイドスローからシンカー気味に独特の落ち方をするフォーク。
中性的な見た目をしているが、打たれ強く負けず嫌いな性格をしている。
・球速 126km/h ・コントロール A ・スタミナ C
・佐々木隆(ささき たかし)
身長175cm 体重69kg
右投右打の外野手。中堅手や左翼手を守ることが多い。強肩。鋭いレーザービームの送球が得意。送球の見せ場が大好き。レフトのスタメン。
見た目は平凡で普通。しかし、努力家。打撃は苦手だが、小技が得意で上位打線を担っていた。直球は得意になりつつある。
・林里勇(はやしさと いさむ)
身長170cm 体重62kg
右投左打の遊撃手。俊足が売り。細身だが、筋肉質で運動神経が良い。古堂、伊奈に並ぶくらい学業の成績は馬鹿。
足の速さに関してはチームで1.2を争う。
・返田元気(そりた げんき)
身長167cm 体重63kg
右投右打の捕手。中学時代からベンチで試合経験に乏しい控えキャッチャー。自分に自信がないが、ブルペンキャッチャーとして経験を積み、捕球力は高くなっている。
小柄な丸顔の好青年。
・宮地大輔(みやじ だいすけ)
身長168cm 体重60kg
右投右打の二塁手。守備とバントが上手い。
・大木裕二(おおき ゆうじ)
身長177cm 体重69kg
右投右打の外野手。背は高いが細身。
・高崎洋二郎(たかさき ようじろう)
身長173cm 体重73kg
右投右打の外野手。ミート力は無いが、パワーはある。
・小泉彩(こいずみ さやか)
身長162cm 体重54kg
黒髪ミディアムヘアーの明朗快活な美人マネージャー。部員に対し献身的に働く姿勢から、部員からも尊敬されている。料理や掃除、洗濯も得意。部内はおろか学校でもかわいいと話題の人物だが、恋愛っけは無い模様。大滝のことが少し気になっている。
・新田静(にった しずか)
身長180cm 体重71kg
黒光高校2年生→3年生
左投左打の投手。クロ高のエースを担う白銀世代。ストライクゾーンの隅を確実に突く、ボール一個分の出し入れ、すさまじく曲がる変化球を扱うなどといった精密なコントロールが持ち味の軟投派投手。球種はカーブ、スライダー、シュート、ナックル。しかし、ずっとリリーフだった経験からか、スタミナには乏しい上、打たれ弱いという弱点もある。調子も乱れがち。
学校内で指折りのイケメン。甘いマスクと切れ長の目を持つさわやかな見た目から、変化球王子と呼ばれている。
・球速 144km/h ・コントロール S ・スタミナ D
・今宮陽兵(いまみや ようへい)
身長169cm 体重64kg
右投右打の二塁手。頼れるバント職人でミート力、走力、守備力が抜群のキャプテン。選球眼やカット能力にも優れている。セカンドのスタメン。
飄々とした性格で、煽り上手。いつもどこか余裕がある。いかなるときも何かを起こす、プレイでチームを引っ張るタイプのキャプテン。
・田中遊(たなか ゆう)
身長171cm 体重66kg
黒光高校2年→3年
右投両打の遊撃手。リードオフマン。走攻守三拍子そろっているが、今宮ほど打率は高くない白銀世代の選手。今宮とは鉄壁の二遊間を組む。林里のあこがれの存在。ショートのスタメン。
丸坊主が少し伸びたような髪型をしている三白眼。ひょうきんな性格で、たびたびふざけては周りを笑わせているが、練習はストイックで野球一筋。
・山口寿(やまぐち ひさし)
身長175cm 体重70kg
右投右打の中堅手。安打マシーンと呼ばれる白銀世代の選手。ミート力はチーム内No.1。センターのスタメン。守備もうまいバランス型の野手。白銀世代の中では大したことないと思っている。
糸目に猫毛の優しい雰囲気を持っているが、たまに毒づく。
・小林翔馬(こばやし しょうま)
身長177cm 体重71kg
右投右打の右翼手。チーム内の外野の中で一番の強肩。バッティングは並み。白銀世代に数えられていないが、よく山口と練習をしている。ライトのスタメンで、レーザービームでたびたびチームの危機を救う。
目元がはっきりしていてさわやかな見た目の寡黙な努力家。イケメンだと周りから言われているが、内気な性格なため友だちは少ない。
・伊東律斗(いとう りつと)
身長179cm 体重72kg
右投右打の投手。速球派右腕として新田のリリーフを担う。黄金世代の閑谷に強いあこがれを抱いており、持ち球は同じフォークとカットボール。
白銀世代には数えられておらず、実力的には閑谷や新田には劣るが、面倒見がよく度量が大きい。三枚目としてもチームには欠かせないキャラ。
・球速 145km/h ・コントロール C ・スタミナ B
・芝豪介(しば ごうすけ)
身長183cm 体重79kg
右投右打の一塁手。背の高さはチーム1で、大滝に次ぐパワーの持ち主。大柄な身体を活かしたパワフルなフルスイングが持ち味だが、いわゆるブンブン丸で、ミート力には乏しい。白銀世代には数えられていない控えのファースト。
五分刈りの丸坊主で、いかつい見た目をしており、言葉遣いも荒いが、面倒見はよくストイック。
・坂本夏哉(さかもと なつや)
身長177cm 体重73kg
右投右打の三塁手。中学時代は古堂の野球部の先輩で4番を打っていた。バランスの取れた野手だが、白銀世代には数えられていない。大滝にレギュラーを取られ、少し嫉妬していたこともある控えの三塁手。
濃い顔で男前。古堂とは仲が良い。
・庄野慎也(しょうの しんや)
身長169cm 体重65kg
右投左打の外野手。控えのレフト。足の速さと選球眼が持ち味だが、バッティング技術に乏しく、守備も球際に弱いという課題がある。小柄で盛り上げ上手。
・蔵元和重(くらもと かずしげ)
身長180cm 体重78kg
右投左打の二塁手。大柄だが、守備力は高く、内野守備なら大概どこでもできる。一方でバッティングは苦手。堅物な印象を与える真面目な男。
・菅木晴信(すがき はるのぶ)
右投右打の外野手。元々は捕手として入部したが、手首のケガをきっかけに外野手にコンバート。ケガで離脱期間が長かったこともあってか、持ち味だったバッティングの調子も崩している。返田の先輩で憧れの存在だった。
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